褥瘡・創傷ケアのコツを豊富な症例写真とともに解説。今回取り上げるのは、低体温症となった結果、下肢にチアノーゼを引き起こした症例。そうした足の血流が悪いときの改善策ついて紹介します。

この記事は『エキスパートナース』2018年6月号特集を再構成したものです。
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 身体局所における血流の低下は、褥瘡発生のリスク要因です。この患者さんは低体温症となった結果、下肢にチアノーゼを引き起こしています。

 また、搬送翌日までPCPSが用いられていますが、このような補助循環治療の合併症として下肢の循環障害が起こることがあります。大腿部に挿入されたカテーテルにより、末梢側が阻血に陥ることが原因です。

 加えて、救急医療の対象となる患者さんには、未受診・未治療のまま潜在的に末梢動脈疾患(PAD)などを保有している人も少なくありません。 そのため、下肢の循環障害が疑われる場合は医師に報告し、触診あるいはドプラなどを用いて足背動脈を確認し、冷感の有無や体表温度の左右差などについて観察することが重要です。

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