免疫チェックポイント阻害薬を投与中に有害事象を認めた場合の対応

 免疫チェックポイント阻害薬を投与中に有害事象を認めた場合、次の順に対応します。

1)その症状が、irAEなのか、他の薬剤による有害事象や腫瘍の増悪による症状なのかを鑑別・除外する。
2)重症度(グレード)を評価する。
3)グレードに応じた治療(下記参照、代謝・内分泌系の有害事象を除く)を行う。

免疫チェックポイント阻害薬投与中の有害事象への対応

グレード1
●対症療法

グレード2
●対症療法またはステロイド薬内服(プレドニン®換算0.5〜1mg/kg)
●1週間以内にグレード1以下に回復しない場合には、グレード3〜4に準じて治療を行う

グレード3〜4
●高用量ステロイド剤投与(プレドニン®換算1〜2mg/kg)
●2〜3日以内にグレード1以下に回復しない場合には、臓器特異的な免疫抑制薬やステロイドパルス療法を考慮する

※グレード1は「軽度」、グレード2は「中等度」、グレード3は「重症または医学的に重大であるが、ただちに生命を脅かすものではない」、グレード4は「生命を脅かす」有害事象です。ちなみにグレードは5まであり、「AE(adverse events:有害事象)による死亡」となっています。
(日本臨床腫瘍研究グループ:有害事象共通用語規準 v5.0 日本語訳JCOG版.を参考に作成)