がん細胞の増殖や転移には、接着分子、タンパク分解酵素、血管新生因子など、多くの分子が関係しています。
その活動を遮断することで、がん細胞の増殖・転移を防ぐことができます。これを目的とした薬剤が分子標的治療薬です。研究の発展で、がんのメカニズムが明らかになるのにしたがい、新しい薬剤ができています。
本項目では、そうした新しい分子標的治療薬の特徴や看護師が知っておきたいポイントを解説します。
血管新生阻害薬
●血管新生阻害薬は分子標的治療薬の1つで、がん細胞の増殖・転移にかかわる因子に結合したり、その受容体に先回りして結合を阻害したりすることで、増殖・転移を阻害する。
●高血圧のほか、心血管合併症(心血管毒性)にかかわる症状が副作用としてあるため、モニタリングをしっかり行うことが重要である。
血管新生阻害薬のしくみ
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