エピジェネティックス修飾薬と代表的な副作用
①EZH2阻害薬
タゼメトスタット臭化水素酸塩
●販売名・剤形:タズベリク®錠
●適応となるがんの種類:濾胞性リンパ腫(EZH2遺伝子変異陽性)
●主な副作用:骨髄抑制、感染症、味覚異常
➁ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬
ボリノスタット
●販売名・剤形:ゾリンザ®カプセル
●適応となるがんの種類:皮膚T細胞性リンパ腫
●主な副作用:静脈血栓塞栓症、骨髄抑制、貧血、高血糖
パノビノスタット乳酸塩
●販売名・剤形:ファリーダック®カプセル
●適応となるがんの種類:多発性骨髄腫
●主な副作用:重度の下痢、静脈血栓塞栓症、骨髄抑制、QT延長、感染症
ツシジノスタット
●販売名・剤形:ハイヤスタ®錠
●適応となるがんの種類:成人T細胞白血病リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫
●主な副作用:骨髄抑制、QT延長、感染症、間質性肺疾患
ロミデプシン
●販売名・剤形:イストダックス®点滴静注用
●適応となるがんの種類:末梢性T細胞リンパ腫
●主な副作用:骨髄抑制、QT延長、感染症
③DNAメチル化酵素(DNMT)阻害薬
アザシチジン
●販売名・剤形:ビダーザ®注射用
●適応となるがんの種類:骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病
●主な副作用:骨髄抑制、感染症、出血、間質性肺疾患、心障害
エピジェネティックス修飾薬の観察ポイント
各薬剤に共通した副作用として、骨髄抑制や感染症が見られます。定期的な血液検査と発熱の有無などをモニタリングします。
また、ボリノスタットは高血糖が現れることがあるので、投与開始前および投与開始後は定期的に血糖値を測定します。
がん治療・ケアの最新知識【第9回】新しい分子標的治療薬:NTRK阻害薬
この記事は『エキスパートナース』2023年1月号特集を再構成したものです。
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