アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、厚生労働省の『人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン』において、「人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス」と定義されています1。
今回は、ACPの問題・課題とともに、ナースが果たす役割について解説します。
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「ACP」のおさらい
● ACPは人生の最終段階の医療・ケアについて、本人の意思決定に向けて話し合うプロセスである。
● 話し合いは1回のみでなく、繰り返し行って修正・更新していくことが重要である。
同ガイドラインでは、本人と医療・ケアチームの合意形成に向けた十分な話し合いを行い、本人が意思決定することを基本としています。
また、家族など信頼できる者を含めて話し合いを繰り返すことで、自らの意思を伝えられなくなった場合でも、その推定意思を尊重し、本人にとって最善の方法をとっていくことが可能となります。
本人・家族と医療・ケアチームの間で合意に至らない場合、例外として、複数の専門家からなる話し合いの場を設置し、方針の検討や助言を行っていく(図1)としています2。すなわち、ACPは本人の意思を尊重した医療・ケアを実現することが目的となります。
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