代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!今回は洞頻脈の波形の読み方を紹介します。心房細動(AF)や発作性上室頻拍(PSVT)との見分けに注意を。

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洞頻脈の特徴は?

 洞頻脈とは、洞結節からの刺激が頻繁になり、心拍と心拍の間が詰まった波形です。RR間隔の幅は3マス以下(心拍数100回/分以上)と狭く(①)、QRS幅も2目盛り以下(0.08秒以下)と狭いのが特徴です(②)。
 そのほかは、不規則になる箇所や、波形の欠けなどはありません。P波と、それに続くQRS波があります(③)。RR間隔は一定(④)で、T波とP波ははっきり分かれます(⑤)。

図1 洞徐脈の読み方のポイント

洞徐脈の読み方のポイント
洞徐脈の読み方のポイント2

心房細動(AF)、発作性上室頻拍との違いは?

 必ず見分けたい波形は、心房細動(AF)と発作性上室頻拍(PSVT)です。

 心房細動の場合は、RR間隔が一定ではなくなります。しかし、一見規則的に見えるようなわずかな差であることもあるため、注意して確認しましょう。

心房細動(AF)の心電図波形の読み方はこちら

 発作性上室頻拍(PSVT)では、RR間隔は一定で、2マス以下(心拍数150回/分以上)になることが多いです。P波が見えなくなることも特徴です。

発作性上室頻拍(PSVT)の心電図波形の読み方はこちら

 その他に、ノコギリ状の「F波」が特徴の心房粗動(AFL)との鑑別も必要です。

心房粗動(AFL)の心電図波形の読み方はこちら

洞頻脈の原因とは?

 洞頻脈は背景に何らかのイベントが隠れている可能性があります。変化があった際は、図2のような原因を思い浮かべ、以下を評価して医師へ報告しましょう。

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