代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!今回は房室接合部調律の波形の読み方を紹介します。医師へ報告が必要なケースもおさえておきましょう。
房室接合部調律の特徴とは?
刺激を出しているのが房室接合部のため、洞結節から出るP波はありません(①)。 ただし、心室だけでなく、心房にも逆行して刺激が行くため、陰性のP波が見られることもあります(②)。
図1 房室接合部調律の読み方


「P波が出ていない」とはどんな状態?
1拍だけなら房室接合部補充収縮(単に「補充収縮」と言う場合もある)といい、続くなら房室接合部調律といいます。
「P波が出ていない」ということは、心房から心室へうまく血液が運べない状態です。心拍出量が低下した結果、主要臓器の血流障害につながる恐れがあります。
バイタルサインに異常がなければ、様子を見ることが多いですが、洞調律から移行したときや、血圧低下などバイタルサインの変化が見られたときは、薬剤の影響が考えられますので医師に報告が必要です。
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