心電図の教育活動をはじめて約25年、ハート先生の書籍を試し読みできます!
今回は10月に発売された『ハート先生の心電図レクチャー 応用編』(市田 聡 著、照林社発行)をご紹介。苦手な人が多い「12誘導心電図」をテーマに、人気講義を再現した1冊です。
病棟を舞台にした漫画風のストーリーを読みながら、心電図について学びましょう。


T波の陰性化
心筋虚血の初期の段階では、刺激伝導路が内膜面を走行していることから、虚血が発生した場合で
も、仕事の始まり(興奮の始まり)は内膜側から起こることになりますが、虚血の発生によって、内膜側の仕事の持続時間が短くなるために、興奮が醒める時期が内膜面が先となり、一方では、外膜側の興奮持続が逆に延長することとなります。このことで、興奮が醒める時期に流れる電気の方向が逆となり、結果としてT波が逆転します。






貫壁性に発生した虚血
心筋の外膜側から内膜側まで虚血が貫いた状態になると、この場合、外膜側に、より強い傷害電流が
発生します。すると、外膜側の静止電位が高まることになり、結果、今度は外膜側から内膜側に向かっ
て傷害電流が流れます。すると、これは心電図の基線を持ち上げる方向に向かうこととなり、その結
果、STが上昇することになります。




『ハート先生の心電図レクチャー 応用編』
市田 聡 著
B5・136ページ、定価:2,640円(税込)
照林社
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ハート先生の心電図特集
誘導法の基本と心電図波形が描かれる原則【ハート先生の心電図特集②】
「STが何ミリ上昇(下降)している」とはどの部分のこと?/狭心症で虚血が解消するとT波が逆転するのはなぜ?【ハート先生の心電図特集③】