代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!今回は「右脚ブロック」「左脚ブロック」を見るために必要な、電気軸の考え方を紹介します。
●右軸偏位、左軸偏位とはどのような状態かが理解できる
●軸偏位が起こる原因がわかる
●12誘導心電図の見方を確認できる
右脚・左脚ブロック=心室の刺激が一部遮断される状態では、来るはずの刺激が来なかったり、別の方向を経由して来たりして、いつもと違う電気の動きが生まれます。
その動きを見るために必要なのが、軸偏位と12誘導心電図の知識です。
軸偏位とは?
心室の筋肉が収縮(興奮)するときには、一定方向の大きさをもつ電流が生じます。正常時、心室興奮の電流のベクトルは右上から左下方向となります。

しかし、心筋のさまざまな障害により、電流のベクトルは変わってしまいます。「軸偏位」とは、このように心室興奮の電流が左右にずれることをいいます。

軸偏位の向きを知りたいときは、12誘導心電図のⅠ・Ⅱ・Ⅲ誘導を見てみましょう。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ誘導は、心臓をそれぞれ下の図のような方向から見ています。
正常時、刺激はどの誘導から見ても、距離が近づいてくるように見えます。

しかし、軸偏位が起こると、「刺激が離れていく」誘導が出てきます。離れていくと、波形は陰性化します。この変化から、心臓のどこに異常があるかを推察できるのです。

右軸偏位と左軸偏位
心室興奮の電流が右にずれている場合は「右軸偏位」、左にずれている場合は「左軸偏位」といいます(図1)。
●右軸偏位
心室興奮の全体のベクトルが+90°~+180°の状態。
●左軸偏位
心室興奮の全体のベクトルが0°~-90°の状態。
図1 軸偏位の方向と考えられる疾患

軸偏位の原因となる疾患
軸偏位の原因として考えられる疾患は、下記の通りです。
右軸偏位
〈考えられる原因〉
●右室肥大 ●右脚ブロック
●左脚後枝ブロック
●肺性心 ●右胸心
左軸偏位
〈考えられる原因〉
●左室肥大 ●左脚前枝ブロック
●下壁梗塞 ●肺気腫
12誘導心電図の見方
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ誘導も含め、12誘導心電図では、それぞれの誘導で、どの方向から心臓を見ているかを確認しましょう。
手足につけた電極で、心臓の動きを見ると…

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