この記事は『不登校・ひきこもりが終わるとき』(照林社)の一部を再構成したものです。
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春は、新しい年度の始まりです。不登校状態からの進級進学や留年などで新しく出発する人、ひきこもり状態からアルバイトや仕事を始める人、そのような目に見える進展がない人……など、それぞれの人生を歩まれていることと思います。
本人またはご家族からご相談を受けていて、結果的に本人が進級進学を果たしたケースのなかには、年明け前の時点では「今の状態では目標が高すぎる」として、目標を達せられなかったときの対応も周囲が想定していたケースもあります。
結局その必要がなくうまくいった、つまり、「無理しているからといって必ず挫折するとはかぎらない」というケースだと言えます。
もちろん、これで全面解決だと断定できるかどうかは誰にもわかりません。「ホームランを打ったが試合はまだ続いている」といったところでしょうか。いずれにしろ、大きな一歩を踏み出した本人の決意と努力に拍手を送り、前途に幸あらんことを祈っています。
私は10年以上にわたり、メルマガを通していろいろなことを書いてきましたが、そのすべてを貫いている論旨は「不登校やひきこもりの人への対応は、本人の願いや思いを前提に判断され実行されるべきである」ということに集約できます。
逆に言えば、対応は周囲の願い――多くは「学校/社会への復帰」――を前提に判断され実行されるべきではない、ということです。