事例紹介をもとに、看護介入をナラティブに伝えます。今回は延命のための化学療法を続けている患者さんの事例を振り返りながら、別角度から、ナースの“思い”について分析します。
今回の事例:【第2回】延命のための化学療法を続けている患者さんの事例
〈目次〉
がん治療の目的と看護師のかかわり
看護師にとっても、「死」をテーマに話すことは容易ではない
事例についてのリフレクション
がん治療の目的と看護師のかかわり
がんに罹患された方の生存期間は、がん医療の目覚ましい進歩とともに延長している。そして、がん治療の目的も、以下のように比較的明確に分類されるようになった。
①根治する
②再発転移を予防する
③進行を抑制し延命する
④苦痛となる症状や機能障害を緩和する
このことによって患者は、治療の見通しが意識しやすくなったのであるが、「③」や「④」を目的として治療を受ける患者は、根治が困難であるという事実と向き合うことを余儀なくされ、個々の生き方や価値観が、治療や残された時間の過ごし方に大きく影響することとなる。
このようながんの経過を支える看護師は、さまざまな局面にあるがん患者の思いや、気がかり、治療の見通し、そして生き方や価値観について受け止めることが、ケアを行ううえでカギとなる。
患者のQOLの向上に貢献し、患者にとって大切な日々の価値を見出すきっかけを模索することは、がん看護の大きな役割である。
しかし、予後を限られた人々の心は一様ではなく、どんなに経験や知識を蓄えた看護師であっても思い込みで踏み込むことは許されず、タイミングを間違えると、二度と心を開いてもらえなくなる。 さらに、看護師として最も避けたい、患者を傷つけることになってしまうかもしれない。
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