臨床現場での看護実践は、どんな“気づき”をきっかけとして起こるのでしょうか?また、“患者さんの力”をどう引き出すのでしょうか?事例紹介をもとに、看護介入をナラティブに伝える連載です。
【第1回】看護実践を記述する:ナラティブの重要性
〈目次〉
●実践を記述するということ
●ナラティブの重要性
【第2回】事例紹介:延命のための化学療法を続ける患者への看護介入
〈目次〉
●延命のための化学療法を続けているAさんとの出会い
●経過は順調ながらも冴えない表情
●Aさんの表出する今の気がかり
●診察同席により感じた“Aさんに必要な支え”
●Aさんと共有した“最期”のイメージ
【第3回】延命のための化学療法を続ける患者にどう配慮する?
〈目次〉
●この事例を紹介した理由は?
●分子標的薬の治療を受けている患者さんに、どう配慮する?
●打ち明けるきっかけをつくるためには?
●最期のときについて説明できたのはなぜ?
【第4回】死に向き合う患者と看護師のかかわり
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・がん治療の目的と看護師のかかわり
・看護師にとっても、「死」をテーマに話すことは容易ではない
【第5回】事例紹介:離床が進まない患者への看護介入
〈目次〉
●離床がなかなか進まなかったAさんへの「介入のきっかけ」
●筆談の拡がりから得た情報
●看護チームでの意識の変革
●多職種カンファレンスをもとに離床機会が増える
【第6回】臨床が進まない患者へのケアは?アセスメントは?
〈目次〉
●この事例を紹介した理由は?
●離床機会の予感とは具体的に?
●話をしたときの、Aさんへのアセスメントは?
●踏み込んだ提案をしたのはなぜ?
●リスクをコントロールするアイデアは?
【第7回】離床が進まない患者のプリパレーション(準備性)を判断
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・患者のプリパレーション(準備性)を判断することの重要性
・プリパレーションの範囲は看護チームにも広がる
【第8回】事例紹介:適応障害でADLが低下した患者への看護介入
〈目次〉
●適応障害により、日常生活が1人で行えなかった患者さんとのかかわり
●初回面接で伝わってきた“試す”という評価基準
●Aさんとのかかわり方の統一により得られたこと
【第9回】適応障害でADLが低下した患者へのケアのポイント
〈目次〉
●この事例を選んだ理由は?
●『ICD-11』における適応障害とは?
●病棟看護師とアセスメントに違いが出たのはなぜ?
●Aさんのよいところを見つけるための工夫とは?
●Aさんの“強み”を重視したケアによる影響は?
【第10回】適応障害でADLが低下した患者の現状を正しく理解するには?
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・患者さんの過去を振り返り、現状を正しく理解
・これまでのアセスメントと異なる視点をもつリフレーミングの効果
【第11回】事例紹介:慢性腰痛を訴えるパーキンソン病患者への看護介入
〈目次〉
●「慢性的な腰の痛み」を訴えるパーキンソン病の患者さんの“思い”
●改善しない腰痛、「リハビリテーションは嫌」
●痛みの増強を招いたと考えられる「心理的な要因」
●痛みからくる行動様式とその影響
●目標のすり合わせとセルフケア能力の向上をめざして
【第12回】慢性腰痛を訴えるパーキンソン病患者へのアセスメント方法は?
〈目次〉
●この事例を紹介した理由は?
●痛みを増強させている要因をどう推測した?
●入院前の生活と現状をどう関連づけていった?
●Aさんの生活力、セルフケア能力をどう見積もった?
【第13回】慢性腰痛を訴えるパーキンソン病患者への看護実践
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・患者さんの苦悩にかかわる看護
・“何か変”を感じて看護にするには、「勇気」と「患者さんへの関心」がいる
【第14回】事例紹介:小児の服薬拒否への対応は?6歳児への看護介入
〈目次〉
●内服を嫌がる6歳の患者さんが治療に向き合えるための環境づくり
●「10時に内服しよう」の約束
●“薬を飲まない”に関連するさまざまな要因
●支援方法を統一するためのカンファレンス
●周術期に起こった Aくんの変化
【第15回】内服を拒否する6歳児への支援のポイント
〈目次〉
●この事例を紹介した理由は?
●6歳という年齢への配慮は?
●病名と治療予定の説明で注意したことは?
●子ども療養支援士(CCS)とは?
●精神科医師の助言でわかったことは?
【第16回】内服を嫌がる6歳児への看護実践の工夫
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・Aくんを主人公にしたストーリーを立てて支援
・治療する場を“成長できる場”に変えるための安全基地に
【第17回】事例紹介:ケア拒否に見えた進行性核上性麻痺患者の真意と看護介入
〈目次〉
●ケアを拒んでいるように見えた進行性核上性麻痺の患者さんの“思い”
●Aさんのご自宅での様子と、伝わってきた葛藤
●生活環境の整備・摂食嚥下ケアを「ともに考える」
●Aさんに現れた変化と、今後への視点
【第18回】ケア拒否に見えた進行性核上性麻痺患者への多職種連携による支援とは?
〈目次〉
●この事例を紹介した理由は?
●Aさんへの理解やかかわり方はどう変化した?
●多職種連携にあたり留意した点は?
●これからのAさんの気持ちの変化をどうサポートする?
【第19回】ケア拒否に見えた進行性核上性麻痺患者を支えるには
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・その人の人生を支えるということ
・人生の終末に向けて
【第20回】事例紹介:意思確認が困難なICU患者と家族への意思決定支援
〈目次〉
●本人の意思が確認できないICU患者さんと家族への意思決定支援
●PEG・ストーマ造設術への夫の「承諾」と違和感
●看護師の“もやもや”を整理し、どう解決するかを考える
●医療スタッフ間で調整したこと
●Aさんの夫との再度の話し合い
【第21回】意思確認が困難なICU患者と家族への意思決定支援のポイントは?
〈目次〉
●この事例を選んだのはなぜ?
●夫が代理意志決定者としての理解と意思決定能力があると考えた理由は?
●情報を整理して分析した効果は?
●看護師のもやついた気持ちはどう変わった?
【第22回】意思確認が困難なICU患者と家族への意思決定支援の実践
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・医療従事者が「気づく」ということ
・気づきと基準の統合:基準をもつことの重要性
【第23回】事例紹介:肝臓がんの告知に直面した家族への意思決定支援
〈目次〉
●父親の“肝臓がんの告知”に直面した長男の、医師との話し合いへの橋渡し
●Aさんの“強い口調”から伝わってきたこと
●父を失う恐れからくるAさんの混乱を整理する
●再度の病状説明で現れた向き合う姿勢
●父親と家族の意思による療養の選択へ
【第24回】肝臓がんの告知に直面した家族への意思決定支援のポイント
〈目次〉
●この場面を紹介した理由は?
●相談者の怒りにどう対応している?
●告知の際、患者の認知力や理解力をどうアセスメントしている?
●Aさん家族が在宅療養ができると考えたのはなぜ?
【第25回】肝臓がんの告知に直面した家族の気持ちに寄り添うには
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・反応・感情を“適切に”受け止めたい
・看護者としての倫理に配慮しながら実践することの重要性
【第26回】事例紹介:肺がん多発転移による痛みと不眠に苦しむ患者への緊張緩和ケア
〈目次〉
●肺がん多発転移で「痛み」「不眠」を感じる患者さんの“緊張緩和の方法”を検討する
●“何もやる気が起きない”Aさんの状態
●「気が休まらない」という言葉に内包されること
●触れながら聞くことができたAさんのお話
●自己コントロール感を取り戻すためにできること
【第27回】痛みと不眠に苦しむ肺がん多発転移患者への緊張緩和ケアの実際
〈目次〉
●この事例を取り上げたのはなぜ?
●Aさんの精神・心理状態をどう考えた?
●リラクゼーションや、自己コントロール感を取り戻すためのケアの目的は?
●Aさんがどう変化することが目標だった?
【第28回】肺がん多発転移患者の痛み・不眠の要因分析と看護実践
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・因果関係は円環的。1つに理由を求めない
・要因を「なぜ?」「どうして?」と考えケアに活かす
【第29回】事例紹介:入院治療を拒否する糖尿病患者への看護介入
〈目次〉
●血糖コントロールの必要性の自覚がなく、入院も拒否する患者さんの“変化のきっかけ”
●「入院での治療は無理」と語る夫とAさんの状況
●外来でのインスリン導入。しかし高血糖状態・体重増加は続く
●フットケアの継続で起こった変化
【第30回】入院治療を拒否する糖尿病患者への行動変容を促す支援の工夫
〈目次〉
●慢性疾患看護専門看護師として大切にしていることは?
●初対面でAさんの手に注目したのはなぜ?
●外来でのインスリン導入を判断した理由は?
●手洗いや爪切りのケアにどんな期待があった?
【第31回】入院を拒否する糖尿病患者の治療意欲を引き出す看護実践
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・患者さんのことをよく見て、決めつけず解釈をしつづける
・患者さん・家族の回復していく力を信じて、効果的に治療ができるように働きかける
【第32回】事例紹介:外来患者の帰宅同行を通じて見えた在宅支援の課題
〈目次〉
●患者さんの生活支援を考えるきっかけとなった“帰宅への同行”
●外来受診されたCOPD患者のAさんの様子
●“会話の内容”“持ちもの”から見えてきたこと
●同行しながら考えた、Aさんの生活に必要な支援
●新たな支援を受け入れたAさんの生活を確認する
【第33回】外来患者の帰宅同行から見えた在宅支援課題への対応ポイント
〈目次〉
●この事例を選んだのはなぜ?
●Aさんへの支援で大切にしたことは?
●認知症だと考えた根拠は?
●どのようにアウトリーチを進めればよい?
【第34回】帰宅同行した外来患者への在宅支援の注意点
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・患者さんの“地域で生活すること”に興味を向ける重要性
・個々人のもつ、生活する力を信じてみよう
【第35回】事例紹介:化学療法中の2歳児の不眠に対する睡眠薬使用の検討
〈目次〉
●眠れない2歳6か月の患者さんに“睡眠薬を使うこと”の検討
●眠れない要因を挙げていく
●ストレス要因を紐解き、あわせて対応を考える
●睡眠薬を使うことについての母親との打ち合わせ
●ケースカンファレンスでの振り返り
【第36回】化学療法中の2歳児の不眠・ストレスに対する看護介入
〈目次〉
●この事例を選んだ理由は?
●看護師の気づきを重視したのはなぜ?
●ケースカンファレンスのねらいは?
【第37回】化学療法中の2歳児の不眠に対する看護ケアでの着目ポイント
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・カンファレンスの主眼は“母親”?“Aくん”?
・サインを受け取ることで広がる看護介入
・学びを引き出し、次のステップへ
【第38回】事例紹介:心不全患者の終末期における「その人らしさ」を尊重した看護介入
〈目次〉
●心不全患者さんの看取りの場面で「その人らしさ」を尊重して支援できること
●心不全により死を意識したAさんの思い
●エンド・オブ・ライフをチームで支える
1)意思決定支援
2)医療チームの合意形成支援
3)苦痛緩和
●患者さんが家族と過ごす最期の時間:看取りのケア
【第39回】心不全終末期患者の「その人らしさ」を尊重したエンド・オブ・ライフケア
〈目次〉
●スピリチュアルペインがあると感じた理由は?
●エンド・オブ・ライフ(EOL)ケアにチームでどう取り組んだ?
●どんな理論をもとに意思決定や代理意思決定を支援した?
●EOLケアは何からスタートする?
【第40回】心不全終末期患者へのエンド・オブ・ライフケアと看護師の倫理的判断
〈目次〉
●事例についてのリフレクション
・“気づき”から始まるエンド・オブ・ライフケア
・エンド・オブ・ライフケアと看護師の倫理
【最終回】看護師の“気づき”からすべてが始まる
〈目次〉
●事例の共通点は看護師の“気づき”
●状況や価値観、看護師との関係性で看護は変化する