皆さんが看護師として、日々行っている臨床現場での「実践」。それらは、どんな“気づき”をきっかけとして起こるのでしょうか?また、“患者さんの力”をどう引き出すのでしょうか?
 事例紹介をもとに、看護介入をナラティブに伝えます。

今回の事例:【第35回】眠れない2歳6か月の患者さんに“睡眠薬を使うこと”の検討

事例をめぐるQ&A

この事例を選んだ理由は?

渡邊 この事例を選んだ理由を教えてください。

河俣 日常的な看護のなかにも、じつは見過ごされていることがあると気づかされた事例でした。

 本事例は、“幼児期の子どもが示すストレスサインを捉える重要性”を示してくれました。これは、言語的に表現できない子どもをどのように捉えるか、その視点を大切にする小児看護には重要なことでした。

 基盤となる理論として、リチャード.S.ラザルスの「ストレスとコーピング理論」があります。子どものストレス反応は、低年齢ほど認知発達が未熟でありストレス対処行動にも限界があります。また言語化できないためにストレスを生じやすく、ストレス反応としてさまざまな反応が現れます。

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