事例紹介をもとに、看護介入をナラティブに伝えます。今回は内服を嫌がる6歳の患者さんの事例をめぐるQ&Aを紹介。子ども療養支援士(CCS)についても解説します。

今回の事例:小児の服薬拒否への対応は?6歳児への看護介入

●この事例を紹介した理由は?
●6歳という年齢への配慮は?
●病名と治療予定の説明で注意したことは?
●子ども療養支援士(CCS)とは?
●精神科医師の助言でわかったことは?

事例をめぐるQ&A

この事例を紹介した理由は?

渡邊 この事例を紹介しようとした理由を教えてください。

杉澤 小児がんの治療過程では、子どもは痛みを伴う処置を何回も受けなければなりません。また、内服も子どもには苦痛です。看護師は子どもに医療処置を行う責任があるため、なかなか内服できない子どもに対して「何とか飲ませなければ」という気持ちを抱くことがあります。

 子どもがスムーズに内服できることを目標にするがために、看護師は、子どもの体験を子どもの視点で理解することが難しくなってしまうこともあると思います。 今回の事例では、“内服できない”という目の前の課題だけを解決しようとするのではなく、子どもの体験や入院生活の全体をとらえ、“育つ力”を支援していくことの大切さに気づかされた事例だったため、紹介しました。

6歳という年齢への配慮は?

渡邊 6歳児というAくんの年齢に配慮したことはありますか?

杉澤 Aくんは治療のために、1年生の初めの半年は、本来通学するはずの小学校に通学することができません。

 入院治療が終了して小学校に通学するようになること(復学)を前提に、基本的な生活習慣を身につけることや、院内学級で他児や先生とかかわりながら社会性を育むことが重要であると考えました。 “病気で入院していなければAくんがどのような生活を送るはずだったか”に目を向け、退院後を見据えて“生活の整え”に取り組むことが重要な支援だと考えました。

病名と治療予定の説明で注意したことは?

渡邊 Aくんへの「病名」と「治療予定」を説明するときに配慮したことは何ですか? Aくんに伝えたかったことは何だったのでしょう。

杉澤 診断時のAくんへの説明において、“病名を本人に伝えている”という点では、医療者は嘘をついていません。しかし、“バイキンが体の中に入っている”という説明は明らかに事実ではありません。

 小児がんは、バイキンのように人からうつるものではありません。また、バクタは感染予防のため、つまり“バイキンが体に入るのを予防する”目的で内服する薬です。化学療法による骨髄抑制のため、易感染の時期に発熱をきたすことがありますが、それは“バイキンが体の中に入った”ために起こります。

 このように、がんという病気を「バイキン」と説明すると、治療過程でさまざまな矛盾が生じますし、手術の物理的な説明も難しくなります。

 しかし、「がん」という言葉だけを子どもに伝えても、子どもは何をがんばればいいのか、どのくらい入院すればいいのかわかりません。それらを子どもなりに理解できるような説明をすることが必要です。

 また、話を聞きたくないというAくんに「大切なことだから聞きなさい」と強制するのではなく、Aくんの気持ちも大切にしていきたいと思いました。
 一度ですべてを説明して終わりにするのではなく、治療の進捗に合わせて、そのつど、Aくんに何を行うのかを話していくことも大切だと考えました。

子ども療養支援士(CCS)とは?

渡邊 子ども療養支援士(CCS)は、どのような役割、あるいは存在ですか?

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