事例紹介をもとに、看護介入をナラティブに伝えます。今回は延命のための化学療法を続けている患者さんの事例をめぐるQ&Aを紹介します。
事例をめぐるQ&A
この事例を紹介した理由は?
梅田 この事例を紹介しようと思われた理由を教えてください。
春木 Aさんが外来の化学療法室に通い始めて間もない時期に、私が予後告知にかかわり、死について一緒に話し合うなかで、患者さんが見通しをもちながら治療や療養の場について自律した選択を行った事例のため、心に残っていました。
分子標的薬の治療を受けている患者さんに、どう配慮する?
梅田 Panitumumabは最近使われるようになった分子標的薬ですが、この治療をされている方の場合、どのようなことに看護師は配慮し、治療経過をサポートするのでしょうか?この治療を受けているときに今回の事例のように旅行などを計画されていると、どのような注意が必要でしょうか?
春木 約7割の患者さんにざ瘡様皮膚炎の副作用がみられるため、保清・保湿・保護について説明し、セルフケアができるように支援しています。
ざ瘡様皮膚炎が顔に見られると、外見上の変化を伴いますので、周囲の人に治療に関連した皮膚症状であることを説明し、理解してもらうよう促し、励まして治療経過をサポートしています。 皮膚症状は日光に当たることで症状が悪化してしまうので、旅行を計画されている場合、“日光に当たらない過ごし方”の工夫が大切です。外で過ごす時間を控えて、日焼け止めや帽子、長袖の服を着るなどが必要です。
打ち明けるきっかけをつくるためには?
梅田 最初にAさんが打ち明けてくださるきっかけをつくるために、配慮されたことは何でしょうか?
春木 死に関連した深刻な話について、「会って間もない私(筆者)に打ち明けることへのとまどい」の可能性と、「死の恐れからまだ語りたくないかもしれない気持ち」を考慮しました。
“Aさんが話したい気持ちであれば話してもらい、話したくなければ今は無理に話さず、機会をみて話していただければよい”と考え、見守りました。
最期のときについて説明できたのはなぜ?
梅田 最期の時間について、体や症状の変化を具体的に患者さんに説明しておられます。死についての話題を避けたいと思う看護師は少なくないと思いますが、どうして、このように説明することができたのでしょうか?また、最期のときについて説明をされたことが、患者さんの療養にどのように影響すると考えますか?
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