西村元一先生が、がん患者となった2年半を綴ったエッセイ『がんになった外科医 元ちゃんが伝えたかったこと』をお届けする連載です。看護師、医師、医療者、がんと向き合うすべての人たちへのメッセージが語られます。

【第1回】それは、ある日突然に

〈目次〉
●「がんになったことがない先生に、俺の気持ち、わからんやろ……」
●院内の日常業務から、一気に闘病生活に
●「まず何をすべきか」がわからない

【第2回】人生やっぱり「人生ゲーム」?

〈目次〉
●「選択」と「選択」の繰り返し
●治療開始、有害事象を実体験。気になってしかたない「甘い味覚」

【第3回】Bad newsとGood news

〈目次〉
●いったい「何喜何憂」すればいいのでしょうか?
●執刀する側から、手術を受ける側に。あとは「神頼み」あるのみ

【第4回】手術、そしてICUへ

〈目次〉
●不安な前夜、勇気をくれた「寄せ書き」。10時間を超える手術を終えて
●初めてのICU。なかなか進んでくれない時計の針
●医療者の時間、患者の時間。両方を経験したからわかること
●人は一人では生きていけない。家族や友人の面会が力に

【第5回】チーム医療~医療者と患者とのギャップ

〈目次〉
●ただ休むよりも、役割や居場所があることが力になる
●理想のチーム医療をめざす日々から、チーム医療を受ける立場に
●忙しい医師だけでは不安。すべて把握している「誰か」をチームに

【第6回】「ヒトの力」でしか癒やせないもの

〈目次〉
●助けてほしい、という願いが届いた──「ヒトの支え」のありがたさ
●もう一度顧みてほしい、医療者と患者のコミュニケーション
●そして、波乱の次章へ

【第7回】プラスαの人生に向けて

〈目次〉
●喜びも束の間の、Bad news到来。それでも受け止められた理由
●怖がっていない、悲しんでいない「フリ」……。患者がしている「フリ」を想像しよう

【第8回】有害事象と引き替えに……

〈目次〉
●実際に「神経障害」を体験してみて
●右足そして左足…想像以上のしびれ!
●比較できる?有害事象と治療効果

【第9回】死の受容?よりもやるべきこと

〈目次〉
●何から手をつけようか?慌ただしかった診断直後
●思いがけず患者を一喜一憂させる、言葉の力

【第10回】がん患者さんのために「場」を作ろう

〈目次〉
●がん患者さんを、地域で支援することの重要性
●「マギーズセンター」との出会い
●動きはじめた矢先、「自分が」がん患者の立場に…
●「金沢マギー」の「常設化」に向けて

【第11回】自分の生活リズムを探して

〈目次〉
●先が見えない……。つかめなくなった生活リズム
●時間が解決してくれる?
●「食べられるものを、食べる」ことを大切に

【第12回】もしかしたら自分だけは……違う?

〈目次〉
●「調子のよしあし」に、浮き沈みする心
●「わかったようなフリ」をしない
●一度は、しぼみかけた意欲
●「何かを残したい」思いを叶えるために

【第13回】医者の目線、患者の目線

〈目次〉
●執筆、講演活動の反響
●講演で伝えていること:医療者へ
Q「治療中のところどころでQOLの変化はありましたか?」
Q「先生が自分の病状なども含めてここまでさらけ出すのは、何がそうさせているのでしょうか?」
●講演で伝えていること:一般の方へ
Q「治療する病院を選択する際に注意することは?」
Q「なかなか看護師さんたちに声をかけづらいのですが、どうすればよいですか?」

【第14回】予想外に長生き!

〈目次〉
●オリンピックを見られるなんて
●1年半の時間がもたらしたもの…。開けていく視界
●めざせ!2年

【第15回】がんの「告知」――これまでと、これから

〈目次〉
●「一人で」告知を受けた患者さんのこと
●告知には、家族に必ず同席してほしいが…
●医療者と患者・家族のギャップを、いかに埋めていくか

【第16回】死、それは夢かマコトか

〈目次〉
●日常から切り離されつつある「死」
●「人生に終わりがあること」の再認識
●「夢うつつ」の歩みに思う

【第17回】自分の役割、そして使命

〈目次〉
●何らかの役割があるからこそ、生きている
●目標をもつことは、身体と精神のバランスがとれていないと難しい
●自分の使命──。医師と患者、両方の視点から体験を語ること

【第18回】がんと診断される前に、やっておけばよかったこと

〈目次〉
●もっと断捨離しておけばよかった
●人生において断捨離は「物」だけではない
●自分が使える時間は有限である

【第19回】QOLを特に悪化させた副作用

〈目次〉
●「治療効果との引き換え」と覚悟していたものの…
●味覚障害による「頭の中」と「口の中」との味のイメージの違いに衝撃
●今後どうなっていくのか──。悩ましい運動機能障害

【第20回】患者はいろいろなことを考えている!

〈目次〉
●治療当初は「やっておくべきこと」で大忙し
●次は治療そのものや自分自身のことで頭がいっぱいに
●今度は家族やまわりのことを考え、さらに関心は外に向き…
●患者が「何を考えているのか」を常に意識することが大切

【第21回】IT化で患者さんとのつながりが疎遠に…?

〈目次〉
●世の中、便利になった反面…
●医療の世界でもIT化は進む!
●患者さんと顔を合わせて、声に耳を傾けよう

【第22回】患者さんの心を開くには、雰囲気づくりが大切!

〈目次〉
●患者さんに心を開いてもらうための工夫は必要!
●マギーズセンターで得たヒント――どこかに「自分に合う場所がある」
●元ちゃんハウスで居心地のよい空間の実現
●医療スタッフから歩み寄り、がん患者の「殻を破る」お手伝いを

【最終回】「予後」と「余命」、医療者と患者との言葉の隔たり

〈目次〉
●「予後」の使い方は二通り──「見通し」と「余命」
●はっきり言い切れる「余命」の指標はない。にもかかわらず…
●医療者はがん患者が受ける言葉の衝撃に配慮を

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外科医元ちゃん

がんになった外科医 元ちゃんが伝えたかったこと
西村元一著
照林社、2017年、定価1,430円(税込)

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