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看護学校の実習とは?目的・内容・制度上の位置づけを解説

いよいよ病院での看護実習が始まったりんと直美。今週は、現代の看護教育で実施されている看護実習について解説します。

看護学生にとって山場である「実習」

看護学校で学ぶなかで、多くの学生が大きな山場として感じるのが「実習」です。 講義や演習で学んだ知識・技術を、実際の医療現場で患者さんとかかわりながら深めていく大切な学びの機会です。

現代の看護教育で実施される実習とは、病院や施設、地域などの実際の看護の場で、看護師の役割や患者さんへのかかわりを学ぶ授業の1つです。座学で学んだ解剖生理、病態、看護技術、コミュニケーション、看護過程などを、実際の患者さんの状況に合わせて考え、実践につなげていきます。

看護実習は制度上、正式なカリキュラムの一部

看護実習は、学校ごとの独自の取り組みではなく、看護師になるための教育課程に位置づけられた正式な授業です。 看護師養成課程のカリキュラムは、国の「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」などに基づいて定められています。

3年課程の看護師養成所では、講義・演習・実習を含めた教育課程のなかに、臨地実習が組み込まれています。指定規則では、看護師3年課程における臨地実習は23単位以上とされています。

つまり実習は、「現場に慣れるための見学」ではなく、看護師国家試験の受験資格につながる教育課程の一部です。実習で学ぶ内容や単位は、看護師として必要な能力を身につけるために設計されています。

なぜ実習が必要なのか

看護師に求められる力は、知識を覚えることだけではありません。 患者さんの状態を観察し、変化に気づき、必要な援助を考える力。患者さんや家族の思いを受け止め、医療チームの一員として行動する力。こうした力は、座学だけで身につけることが難しい部分があります。

例えば、同じ疾患名でも、患者さんの年齢、生活背景、治療への受け止め方、家族の支援状況によって、必要な看護は変わります。実習では、こうした「一人ひとり違う患者さん」に向き合いながら、看護を考える力を養います。

実習では何をする?

実習の内容は、学校や学年、実習領域によって異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。 まず、実習前にオリエンテーションを受け、実習病棟や施設の特徴、注意点、受け持ち患者さんに関する情報などを確認します。

実習が始まると、学生は患者さんを受け持ち、バイタルサイン測定、観察、日常生活援助、コミュニケーションなどを行います。患者さんの病状や生活状況を把握しながら、「今、この患者さんに必要な看護は何か」を考えていきます。

また、実習中は毎日記録を書きます。患者さんの情報、観察したこと、考えたこと、実施したケア、振り返りなどをまとめ、翌日の看護につなげます。

カンファレンスでは、学生同士で患者さんへのかかわりや学びを共有します。自分では気づかなかった視点を得られることも多く、実習での重要な学びの場です。

実習の種類

看護実習には、いくつかの領域があります。

例えば、成人看護学実習では、急性期や慢性期の病気をもつ患者さんへの看護を学びます。

老年看護学実習では、高齢者の生活機能やその人らしい暮らしを支える看護を考えます。

小児看護学実習では、子どもの成長発達や家族への支援、母性看護学実習では、妊娠・出産・産後の母子への看護を学びます。

精神看護学実習では、心の健康に課題を抱える人との関係づくりや支援について考えます。

さらに、地域・在宅看護論実習では、病院の外で生活する人々を支える看護を学びます。

このように、看護実習ではさまざまな場面を経験しながら、看護の対象が「病気」だけではなく「生活する人」であることを実感していきます。

実習で大変だと感じやすいこと

看護実習では、多くの学生が不安や大変さを感じます。 特に多いのが、記録の負担です。患者さんの情報を整理し、アセスメントし、看護計画につなげるには時間がかかります。

また、患者さんとのコミュニケーションに悩むこともあります。りんや直美も感じていましたね。「何を話せばよいかわからない」「沈黙が怖い」「失礼なことを言ってしまわないか不安」と感じる学生もいます。

さらに、実習指導者や教員からの質問にうまく答えられず、自信をなくすこともあります。しかし、質問されるのは考えを深めるためです。わからないことは、わからないままにせず、調べたり相談したりする姿勢が大切です。

実習は「看護師になる自分」を具体的に考える機会

実習では、患者さんの苦痛や不安に触れる場面もあります。自分の未熟さを感じたり、思うように行動できず落ち込んだりすることもあるかもしれません。

しかし、実習での経験は、看護師として働く自分を具体的に考える大切な機会です。患者さんからの何気ない一言、看護師のかかわり方、チームで支える医療の姿から、「看護とは何か」を実感する場面も多くあります。実習は、看護師として成長するための重要な過程なのです。

さっそく、さまざまな受け持ち患者さんとかかわりはじめたりんと直美。実習で考えたこと・体験したことが、これからの2人の看護師人生の基礎となるはずです。どのようなことを考え、体験していくのか楽しみですね。

それでは第7週の感想まとめです!

第7週「届かぬ声」感想まとめ

第7週のあらすじ
いよいよ、看護見習生として帝都医科大学付属病院での実習が始まった。りん(演・見上愛)と直美(演・上坂樹里)は外科に配属され、厳しい現実に直面していく。
番組公式ホームページを参考に作成)

7-1 不穏な実習スタート

帝都医科大学附属病院での実習がスタート。とはいえ、看護師のいない時代なので、病院で働く人たちからはなかなか理解を得られず、ウェルカムとはとても言えない雰囲気。

7-2 医師にはものを言えない患者

受け持ち患者とうまくかかわれないりん。痛そうにしているのに、医師の回診の際には患者は医師に本音を言わないため、りんが伝えるものの、余計なことをと無視されます。落ち込むりんに、学びがいのある患者を受け持つことができたと発破をかけるバーンズ先生。その真意は…?

7-3 誰のために看護をするのか

りんの受け持ち患者・園部さんが手術した部位から出血し、再度、縫合を行い、無事退院。退院時に「もっとうまくかかわれたらよかった」と園部さんに言うりんですが、園部さんからは特にコメントなし。落ち込むりんに「ありがとうと言われたかったのか?」と、諭すバーンズ先生。結果からみれば、園部さんは無事退院できたので、よかったのだと思いますが、りんの気持ちもわからなくはないですよね。感謝の見返りを求めているわけではないけれど、「ありがとう」という言葉は、人の気持ちを前向きにさせるものです(園部さんがりんが渡した花瓶の水替えを行っていたということを直美が教えてくれましたが、ちょっと伝わりづらい気も…)。

7-4 壁にぶつかる2人

直美は直美で、持ち前のコミュニケーション(?)力で、患者さんや医師ともうまくかかわりはじめているようです。このあたりはもしかしたら時代変わらず、今でも同じような雰囲気があるかもしれませんね(目的を達成するためのコミュニケーション術は、現代でも大きなテーマです)。
後半は、シマケンサービスタイムなのか(?)と思うほど、りん一家とシマケンのかかわりが描かれます。シマケンはよい相談相手、だけの存在なのでしょうか…?

7-5 りんと直美の違い?

実習に戻ったりんを迎えたのは、患者さんの元気な挨拶。直美からの手厳しい看護を受けていた患者さんが、りんを待っていたのです。ここのあたり、これからの看護師としてのりんと直美の違い(補完し合うような存在のような気もするのですが)の描写になっていくのでしょうか。
一方、帝都医科大学附属病院には侯爵夫人・和泉千佳子(演・仲間由紀恵さん)が乳がんの手術のため入院してくるものの(手術の成功率は2割程度とか…)、病室や看病婦の対応が気に入らず、手術も受けずに退院すると言います。来週、どうやらりんが受け持つことになりそう…というのが今週の終わりでした。

和泉夫人と看護学生たちがどのようにかかわっていくのか、来週も楽しみです!

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