新しい治療法や薬の登場など、まさに“日進月歩”ながん治療の領域。「新しいがん治療薬」「がん治療合併症」「リハビリ」「AYA世代支援」「ACP支援」について、ナースがおさえておきたい知識を取り上げています。
【第1回】新しいがん治療と合併症へ対応するために
がん治療が急速に進歩し、患者さんの生存率も改善している一方で、副作用は多様化しています。また、心血管毒性などの重症化する合併症も加わっています。
【第2回】免疫チェックポイント阻害薬のしくみ
近年では、これまでの抗がん薬とは異なる作用機序をもつ薬が誕生。免疫チェックポイント阻害薬について詳しくみていきましょう。
●免疫チェックポイントと免疫チェックポイント阻害薬のしくみ
【第3回】免疫チェックポイント阻害薬の効果と適応がん種
免疫チェックポイント阻害薬は複数のがん種にわたって効果を期待できます。保険適用となっている免疫チェックポイント阻害薬についてまとめています。
●臨床で使われているバイオマーカーの種類
●免疫チェックポイント阻害薬保険適用一覧
【第4回】免疫チェックポイント阻害薬単剤での限界と併用療法
長期生存を可能とするメリットがある、免疫チェックポイント阻害薬。しかし、奏効率が最大40%にとどまるなどのデメリットもあります。
●免疫チェックポイント阻害薬の奏功率は最大40%程度
●殺細胞性抗がん薬による治療
【第5回】免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象(irAE)のケア
免疫チェックポイント阻害薬は、免疫関連有害事象(irAE)を起こす場合があります。irAEの早期発見のためには、患者さん・家族の気づきと医療従事者の適切な判断が大切です。
●ニボルマブ単剤による有害事象
●免疫チェックポイント阻害薬を投与中に有害事象を認めた場合の対応
●免疫関連有害事象(irAE)のケア
【第6回】新しい分子標的治療薬:血管新生阻害薬
接着分子、タンパク分解酵素など、多くの分子の活動を遮断することで、がん細胞の増殖・転移を防ぐことができます。これを目的とした標的治療薬の特徴を紹介。今回は血管新生阻害薬です。
●血管新生阻害薬のしくみ
●血管新生阻害薬の観察ポイント
【第7回】新しい分子標的治療薬:PARP阻害薬
PARP阻害薬は、がん細胞の細胞死を特異的に誘導することを目的とした分子標的薬。適応となるがんの種類、代表的な副作用を把握しておきましょう。
●PARP阻害薬と代表的な副作用
●PARP阻害薬の観察ポイント
【第8回】新しい分子標的治療薬:エピジェネティックス修飾薬
がんの形成にかかわるメカニズムを認識し、DNAの配列を変えずに遺伝子のはたらきを決めるシステムを制御するエピジェネティックス修飾薬。代表的な副作用と観察ポイントを紹介しています。
●エピジェネティックス修飾薬と代表的な副作用
①EZH2阻害薬
➁ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬
③DNAメチル化酵素(DNMT)阻害薬
●エピジェネティックス修飾薬の観察ポイント
【第9回】新しい分子標的治療薬:NTRK阻害薬
神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)阻害薬は、臓器横断的治療薬として腫瘍の発生臓器にかかわらず使用することができる薬剤です。味覚異常、便秘などが代表的な副作用です。
●NTRK阻害薬と代表的な副作用
●NTRK阻害薬の観察ポイント
【第10回】新しい分子標的治療薬:ペプチド受容体放射性核種療法
今回取り上げるのはペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)。放射性核種により標識したペプチドを体内に投与して受容体に結合させ、照射する放射線内用療法の1つです。
●ペプチド受容体放射性核種療法と代表的な副作用
●ペプチド受容体放射性核種療法の観察ポイント
【第11回】新しい分子標的治療薬:ウイルス療法薬
がん治療用ウイルスは、正常組織を傷害することなくがん細胞でのみ増えるよう設計された遺伝子組換えウイルス。テセルパツレブについてみていきます。
●ウイルス療法薬と代表的な副作用
●ウイルス療法薬の観察ポイント
【第12回】新しい分子標的治療薬にかかわる多職種連携
がん診療では、新たな治療薬が次々と登場。そんななかで、医師、看護師、薬剤師など、多職種の連携が求められています。
【第13回】がん治療合併症①CTRCD(がん治療関連心機能障害)
がん診療中の循環器関連の主な病態の1つがCTRCD(がん治療関連心機能障害)。さまざまな治療薬において発生が報告されています。概要や観察ポイントを解説しています。
●主なCTRCDとがん治療薬の関連
●CTRCD予防と対応のポイント
【第14回】がん治療合併症②CAT(がん関連血栓症)
がんと密接な関係がある血栓症。がんを治すための化学療法・手術療法などの医療行為も血栓の形成を助長するため、適切な血栓管理が重要です。
●がんと血栓症の密接な関係
●CATの治療・観察ポイント
【第15回】がん治療合併症➂その他の急性期合併症:肺毒性
抗がん薬や放射線治療では、正常な細胞も傷害される可能性もあります。肺障害に注意が必要な抗がん薬をまとめました。主な症状、治療についてもチェックを。
●肺毒性の概要
●肺障害に注意が必要な抗がん薬
●肺毒性の症状と診断
●肺毒性の治療
【第16回】がん治療合併症④その他の急性期合併症:肝毒性
最近は免疫チェックポイント阻害薬による肝機能障害も増えています。また、化学療法によりHBVの急激な増殖し、重症肝炎を発症することもあるので注意。
●肝毒性の概要
●肝障害に注意が必要な主な抗がん薬
●肝毒性の症状と診断
●薬剤性肝障害の機序と対策
●化学療法により発症するB型肝炎の対策の動向
●肝中心静脈閉塞症(VOD)
【第17回】がんサバイバーと晩期合併症①がん診療における「がんサバイバーシップ」とは
がんサバイバーは医療従事者やケアを行う家族・介護者と協力して、さまざまな課題・問題を乗り越えていきます。治療は長期にわたるため、4期に分けて考えていきましょう。
●「がんサバイバーシップ」とは
●がんサバイバーにおける課題
①身体的・医学的課題
②心理的課題
➂経済的課題
④人間関係の課題
【第18回】がんサバイバーと晩期合併症②晩期合併症のマネジメント
がんサバイバーが直面する問題点のうち、生命予後に大きくかかわるのが晩期合併症。がん治療が終了したあと、数年から10年以上経過して出現する疾患群を指します。
●がんサバイバーと晩期合併症
・二次がん
・晩期心血管毒性
・成人発症がんサバイバーと小児・AYA世代発症がんサバイバーの違い
●晩期合併症のマネジメント
【第19回】腫瘍循環器リハビリテーション(CORE)
従来のがんリハビリテーションに心臓リハビリテーションの要素を加えた個別化医療が、腫瘍循環器リハビリテーション(CORE)。その生命予後向上の貢献に、期待が高まっています。
●腫瘍循環器リハビリテーション(CORE)とは
●腫瘍循環器リハビリテーション(CORE)の必要性と可能性
・事前リスクの評価
・COREの実践
・患者アウトカムの評価
●COREの実践方法
●COREの課題
【第20回】AYA世代がん患者に対する支援(妊孕性支援、遺伝性腫瘍)
AYA世代は心身が成長・発達し、さまざまなライフイベントにより変化が訪れます。この世代のがん患者をどのように支援してけばよいのか、ポイントを紹介しています。
●AYA世代の概要と支援のポイント
・がん治療が妊孕性に与える影響
●妊孕性支援のポイント
・妊娠の可能性を残す:妊孕性温存方法
●遺伝性腫瘍のポイント
・主な遺伝性腫瘍
・遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)
・遺伝性腫瘍における問題・課題
【最終回】高齢がん患者支援(ACP支援)
高齢のがん患者のACPでは、背景の個人差が大きい点に注意。標準治療の適応・安全性・有効性などを見きわめることが必要です。
●「ACP」のおさらい
●高齢がん患者のACPで議論になっている問題・課題
●患者支援のために、看護師が果たす役割