麻痺のある患者さんに対応するには、脳のしくみから麻痺を理解することが大切です。麻痺のメカニズムをイラストともにわかりやすく解説!麻痺に伴う合併症や実際のケアについても紹介しています。
【第1回】麻痺はなぜ起こる?錐体路から脳のしくみをやさしく解説
〈目次〉
●麻痺とは?
・錐体路(すいたいろ)は「運動の指令を伝える専用道路」
・錐体路のスタート地点は「中心前回(ちゅうしんぜんかい)」
・錐体路はバラバラにスタートし、「放線冠(ほうせんかん)」で1束になる
・錐体路の「どこが障害されるか」で麻痺の出かたに差がつく
Q1 “放線冠より上”で障害が起きたら?
Q2 “放線冠以降”に障害が起きたら?
Q3 “放線冠以降にピンポイントで”障害が起きたら?
・麻痺の患者さんは、ほかにどんな合併症をもっている?
【第2回】舌の麻痺に注意!危険な症状のチェックポイント
〈目次〉
●活舌が悪くなった…舌の麻痺では何を確認する?
●舌の神経路は、手足とは違う走行をしている
・手足の神経路は“直行便” 錐体で反対側に移動する
・舌の神経路は“乗り換え便” 反対側の脊髄前角部で別の神経に乗り換える
【第3回】顔面麻痺に注意!危険な症状のチェックポイント
〈目次〉
●左右で表情が違う…顔面麻痺では何を確認する?
●出血が起きたのが「大脳」か「橋」かで、麻痺の出かたが変わる
【第4回】手が握れないのは麻痺?見抜き方と観察ポイント
〈目次〉
●手が握れない…“両手”なら原因は麻痺ではないかも
・麻痺を疑ったら「指折り試験」で確認を
・上肢の麻痺では“バレー徴候”も出る
・指で「OKマーク」をつくる検査も
●意識状態が悪く、自分で症状を訴えられない患者さんの観察
【第5回】運動障害とは?麻痺のある患者がもつ合併症を解説
〈目次〉
●麻痺のある患者さんがもつ合併症
●運動障害の1つ、運動失調とは
・運動の微妙な調整は、小脳と錐体外路が担っている
【第6回】感覚障害のメカニズムとは?麻痺に伴う合併症を解説
〈目次〉
●感覚障害が起こるメカニズム
・感覚は「視床」を通って脳の中心後回へ伝わる
・特に視床出血後に注意が必要
【第7回】言語障害とは?麻痺に伴う合併症を解説
〈目次〉
●運動性失語と感覚性失語
・「話せなくなる」失語と、「理解できなくなる」失語
・構音障害では、「正しい発音」ができなくなる
【第8回】嚥下障害の原因とは?麻痺に伴う合併症を解説
〈目次〉
●嚥下障害が起こる理由は?
・ 喉頭蓋の位置関係
・「嚥下」をみるときは「摂食」もみる
【第9回】排泄障害のメカニズムは?麻痺に伴う合併症を解説
〈目次〉
●排泄障害のしくみ
・排便障害のしくみと便秘のリスク
【第10回】高次脳機能障害の種類は?麻痺に伴う合併症を解説
〈目次〉
●高次脳機能障害の種類
・失認は見たものが「何か」わからなくなる
・側頭葉の記憶の貯蔵
・物体失認のメカニズム
・失行は、麻痺がないのに運動が難しくなる
【第11回】麻痺の合併症:痙縮・拘縮・筋萎縮が起こる原因
〈目次〉
●痙縮とは
・プラスの神経路とマイナスの神経路
●拘縮とは
・拘縮の「拘」って、どんな意味?
●筋萎縮とは
【第12回】麻痺のある患者に適したポジショニングとは?体位変換のポイント
〈目次〉
●不適切なポジショニングは拘縮につながる
・プッシャー症状の患者さん
●適切なポジショニングは身体認知の向上につながる
●臥位・座位でのポジショニングのポイント
●体位変換時のポイント
【第13回】麻痺患者の車椅子への移乗・移送のポイント
〈目次〉
●車椅子で行動が広がれば、膿瘡性が引き出せる
●ベッドからの起き上がり動作のポイント
●車椅子に移乗する前のポイント
●移乗のため、立ち上がる際のポイント
【第14回】誤嚥を防ぐ食事介助のコツとは?麻痺のある患者への対応
〈目次〉
●食事を安全に楽しんでもらうために誤嚥を予防する
●食事介助の準備のポイント
●食事にかける時間のポイント
●食事内容と食べ方のポイント
・誤嚥予防に用いられる薬剤
【第15回】麻痺のある患者さんへの清拭・更衣のコツ
〈目次〉
●清拭時のケアのポイント
●更衣時のケアのポイント
●服の着脱時のポイント
【第16回】麻痺のある患者さんの自立に向けたトイレ介助
〈目次〉
●排泄動作の流れと各動作のポイント
・姿勢を整え、椅子から立ち上がる
・下衣を下ろし、便座に着座する
・排泄後、後始末をして車椅子に戻る
・排泄パターンをつかんだトイレ誘導も重要