「脳」と「麻痺」の基本と応用について解説!今回は急変のサインの可能性もある、顔面麻痺の見抜き方について紹介します。
左右で表情が違う…顔面麻痺では何を確認する?
なんか顔が引きつっている…? そんなふうに感じたら顔面麻痺かもしれません。【第1回】で説明したように、顔面の麻痺も同様に錐体路(運動を伝える専用道路)が障害を受けることによって生じます。しかし、顔面の麻痺は少し注意が必要です。その理由を説明します。
「額」と「額から下」は、異なる神経路が支配している
顔面は大きく分けて、「額」と「額から下」の2つの神経路によって支配されています(図1)。普通であれば、右の脳は左半身を支配し、左の脳は右半身を支配しています。顔面も同じように、右の脳が左側の顔面を支配し、左の脳が右側の顔面を支配しています。この原則には変わりはありません(図1-①)。
図1 顔面を支配する2つの神経路


しかし、ややこしいことに、額を支配している神経路は「両方」の額を支配しています(図1-②)。つまり、片側の脳が障害されても、額に麻痺が生じることはありません。
顔面へ向かう神経は、その名の通り顔面神経です。脳から直接出ている神経で、専門的には第Ⅶ脳神経と呼ばれます。この顔面神経は、橋と呼ばれる脳幹の一部から出発していきます。顔面に運動を伝える神経は、この橋と呼ばれる場所で反対側へ向かいます。手足に運動を伝える神経と一緒ですね。
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