人工呼吸器の一種で、挿管せずマスクで呼吸管理ができるNPPV(非侵襲的陽圧換気)。今回はNPPV装置の組み立て・設定手順を紹介します。
急性期にはグラフィックモニター搭載の機器を使用
急性期には、「酸素濃度」を正確に設定でき、治療中の「気道内圧」「吸気 ・ 呼気フロー」「換気量」などを経時的に観察するためのグラフィックモニターを搭載しているNPPV装置を使用します。
代表的な製品例を以下に示します。

V60ベンチレータ(画像提供:株式会社フィリップス・ジャパン)
●トリガー機能が更新され、より適確に呼吸をサポートできるようになった。
●内蔵バッテリーを搭載しており、最大6時間の作動が可能。
●患者がNPPVを受け入れやすく、長く続けられるように考えられた2つの機能がある。
①Ramp:吸気圧に違和感がある患者に有効
②C-Flex:息を吐きづらい患者に有効
NPPVの内部構造
NPPVの機器構成と内部構造、ならびにその組み立て手順とマスク ・ 呼気ポートの設定を図1に示します。
NPPV用人工呼吸器と一般の人工呼吸器との違いは、圧縮空気を必要としないことです(酸素と非常電源への接続は必要)。また、使用の際には送気口にバクテリアフィルターを装着することが望ましいです。
図1 機器構成・内部構造と回路の組み立て(「V60 ベンチレータ」を例に)

NPPVの組み立て・設定手順①回路
①加温加湿チャンバーをセット
加温加湿チャンバーをセットし、加温加湿用注射用水をチャンバーに入れます。

②バクテリアフィルターをセット
バクテリアフィルターを機器の送気口にセットします。

③④⑤⑥回路を接続
バクテリアフィルターと加温加湿チャンバーを接続し、加温加湿チャンバーからマスクに接続する回路にウォータートラップを組み込みます。

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