「脳」と「麻痺」の基本と応用について解説!今回は脳神経疾患による合併症の1つ、感覚障害が起こるメカニズムについて紹介します。
感覚障害が起こるメカニズム
感覚は「視床」を通って脳の中心後回へ伝わる
感覚障害もまた、中枢神経の障害によって引き起こされます。運動の指令は脳の中心前回というところから出発していました。つまり運動の場合は、スタート地点が脳で、ゴール地点が各筋肉です。しかし、感覚路は、スタート地点が皮膚などの感覚受容器で、ゴール地点が脳の中心後回(【第1回】図9)になります。
中心後回は、中心溝の後側にあります。中心溝の前側が中心前回であり、後側が中心後回です。感覚受容器から受け取った感覚(痛覚や触覚など)は脊髄に入り、すぐに反対側へ経路を変えます。そのま
ま脊髄を上行して視床(〈ししょう〉図1-①)と呼ばれる脳の中の組織に入ります。その後、視床から中心後回へ伝達され、「体のどこの部分が痛いのか?」や「触られているのか?」を私たちは感じています。
図1 感覚を伝える上行路(外側脊髄視床路)

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