鎮静を伴う処置後は、病棟での急変に注意が必要です。今回はERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)について解説。どんな治療法なのか、ERCPではどのような鎮静を行うのかなどを紹介します。

ERCPとは?

 ERCPとは内視鏡的逆行性膵胆管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography)の略語で、胆道・膵臓の疾患が疑われる患者さんに行われる検査です。

 近年は、CT・MRIなど低侵襲性検査法の進歩とともに診断目的で行われる件数は減少し、総胆管結石除去やステント挿入などの治療を目的とした処置が増加してきています。

POINT

ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)
●時間がかかり、苦痛が強いため「深鎮静」
●患者状態も悪い

ERCPでの鎮静は合併症に注意

 ERCPは処置時間が30分~1時間ほどかかり、患者さんの苦痛も比較的強いため処置中の体動も多く、安定した処置を実現するために鎮静を深く設定する必要があります。

 さらにERCPは、高齢者や全身状態の悪い患者さんを対象とすることが多く、呼吸循環器系の合併症の危険性が高いため、リスクマネジメントは重要です。

 鎮静に伴う偶発症で最も注意すべきことは呼吸抑制と舌根沈下です。特に、処置中はある程度侵襲が強いため、適正な鎮静状態であったとしても、処置終了後は内視鏡処置による侵襲がなくなるため、結果的に過鎮静となってしまい、呼吸抑制などが助長されるケースがあります。 処置室から病棟への移送時や、帰室後も鎮静状態から患者さんが覚醒するまでは注意が必要になります。

ERCP の手技

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