便秘には、ときには重篤化する病態が潜んでいることも。今回は、重篤な便秘を招かないため、寝たきり患者さんの便秘を予防するポイントを紹介します。
Q. 寝たきり患者さんの便秘を予防するには?
Answer
●寝たきり姿勢が便を排出しにくくしていることを知っておきましょう。
●強制排便が有用な場合もあります。
「寝たきり」が排便に与える影響とは?
なぜ、高齢者で寝たきり患者さんは便秘になってしまうのでしょうか?それは寝たきり、つまり長期間臥床したことで、腹筋力の低下や腹圧をかける動作を十分に行えないことが主な原因1です。
寝たきり、高齢といった状況下では、経口摂取量が少ないことがあり、腸管の蠕動運動の低下や便量の減少をきたします。また、安静によって抗利尿ホルモンも分泌抑制され、循環血液量は低下し、便秘になりやすくなります。臥位姿勢は骨盤底筋群が収縮している関係で、直腸と肛門の接合部は屈曲して便が通りにくい状態です。
その一方で蹲踞(〈そんきょ〉体を丸くしてしゃがむ、または膝を折り立てて腰を落とした立膝をついた座法、図1)の姿勢は、骨盤底が弛緩し、直腸と肛門が開くことで便が通りやすくなります2。私たちはそのことを念頭に置き援助する必要があります。
離床できる方は、足台を置いたりクッションを抱え込むことでその姿勢に近づけることが大切です。離床ができない場合は立て膝にし、 股関節を屈曲させ、 上体を挙上するようにしましょう。
図1 排泄がしやすい姿勢①蹲踞姿勢

便秘予防のポイントは?
便秘予防のポイントは、生活習慣の改善としてですが、理想は離床を促すことです。離床が難しい場合は、ベッド上排泄になります。意識がある場合は、できる限り便器を用います。固くて冷たい便器は苦痛に感じ、紙おむつ内排便では不快感も生じ、便意も消失してしまいます。
そのため、カバーでの保温や頭側挙上による自然な排便姿勢といった工夫も必要です(図2)。その際、臭いやプライバシーへの配慮を行いましょう。
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