患者さんの体験・心理についての「研究」を原著者に紹介してもらい、臨床で活用したいこころのケアを探ります。今回は、拡張型心筋症の患者さんの心理についての研究です。
聞きなれない拡張型心筋症を患者さんはどう捉えている?

患者さんは長期にわたって生活が制限される
拡張型心筋症は心臓の機能が徐々に低下する疾患であり、さまざまな治療法が開発されてきましたが、根治治療は脳死患者からの心臓移植だけとなっています。
しかし、本邦での心臓移植には長期の待機時間やドナー不足など多くの課題があり、一般的な治療とはなっていません。そのため、拡張型心筋症の患者さんは病状を悪化させないように、さまざまな制限を長期間に渡り受けることになります。
このような背景にあるなかで、拡張型心筋症の患者さんが病気の罹患によってする体験は、どのようなものであるかは十分に明らかにはなっていませんでした。
そこで、病気の発症から現在に至るまでの体験をプロセスとして捉えることで、拡張型心筋症の患者さんがどのように病気を受け入れているかを明らかにし、患者さんへ提供する看護ケアの探求を行いました。
本研究は、以下の倫理的配慮のもとに実施されたものです。
●本研究は、研究倫理審査委員会の承認を受けて行っています。
●対象者には口頭および文書で研究目的・方法・参加の自由・拒否や途中辞退の自由・個人情報の保護などを説明し、同意をいただいて実施しました。
●面接は、身体的・心理的な状態に常に注意を払いながら行いました。
研究の方法
疑問(調べたこと)
●拡張型心筋症に罹患した患者さんは病気をどのように受け入れていく?
研究対象
●拡張型心筋症に罹患した男性患者さん5名。罹患年数は4か月~7年
研究方法
●患者さんが長い経過のなかで体験した心理的な変化を捉えるため、入院期間中3回にわたり面接を行い、療養生活での体験を自由に語ってもらう
発見:患者さんは4つのカテゴリーを行き来しながら病気を受け入れていく
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