10月20日、日本糖尿病学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本がんサポーティブケア学会は、『がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント2026』を発刊しました。
現時点での最善の知見をまとめた、4学会による初のステートメント
『がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント2026』は、日本糖尿病学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本がんサポーティブケア学会の4学会による、初のステートメント。多領域の専門家が協働してがん患者における糖尿病治療の現状と課題を整理し、現場の医療従事者が直面する疑問に対して、現時点での最善の知見を体系的にまとめたものです1。
糖尿病ががんの発症リスクや予後に与える影響や、がん治療薬による血糖変動、周術期や終末期の血糖管理、各種血糖降下薬の選択と注意点など、26の臨床課題について現時点でのエビデンスが整理されています(表)1。
なお、本コンセンサスステートメントは現時点での標準的な指針を示すものであるとして、最終的な診療方針は患者・家族と医療者が十分に話し合い、個別性を重視して決定されるべきだとしています1。特に、がん患者に対する血糖降下薬使用の安全性に関しては、今後の研究蓄積が必要であると強調されています1。
本コンセンサスステートメントの全文は、日本糖尿病学会のホームページで公開されています。
表 『がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント2026』のCQ・FRQ・Q
CQ1 糖尿病はがんの発症リスクを高めるか?
FRQ2 がんは糖尿病の発症リスクを高めるか?
CQ3 糖尿病を合併していることでがんの予後に影響はあるか?
CQ4 糖尿病は膵がんのリスクを高めるか?
CQ5 糖尿病は肝がんのリスクを高めるか?
CQ6 糖尿病は大腸がんのリスクを高めるか?
CQ7 特定の血糖降下薬が,がんの発症に影響を与えるか?
CQ8 免疫チェックポイント阻害薬以外のがん治療で用いられる薬剤で、血糖値に影響があるものには何があるか?
CQ9 免疫チェックポイント阻害薬(ICIs) 投与開始後の患者において1型糖尿病を早期発見するために勧められる定期検査、注意をはらうべき自覚症状などはあるか?
CQ10 FDG-PETを行う際の血糖マネジメントや使用する血糖降下薬の注意点は何か?
Q11 手術可能と判断されるHbA1c、血糖値の目安はどのくらいか?
Q12 手術の前に行っておくべき糖尿病合併症検査は何か?
Q13 手術を行う症例に対してインスリン治療を行う際の注意点は何か?
Q14 消化管(胃・食道・大腸)切除後の血糖マネジメントの際の注意点は何か?
Q15 膵切除後の血糖マネジメントの際の注意点は何か?
Q16 糖尿病患者に経腸栄養を使用する際の注意点は何か?
Q17 胃瘻や腸瘻を使用する際の血糖マネジメントの注意点は何か?
Q18 術後早期から厳格な血糖マネジメントをめざすべきか?
Q19 術後早期に使う薬剤として、インスリン製剤以外に経口薬を使用してもよいか?
Q20 ステロイド投与による高血糖に対する治療のポイントは何か?
Q21 抗がん剤治療後に食欲がなくなったときの血糖マネジメントの注意点は何か?
Q22 外来化学療法を行っている糖尿病患者にシックデイ対応として指導を行う際の注意点は何か?
Q23 がんが治癒、または寛解した症例における、血糖マネジメントの目標値はどのくらいか?推奨される血糖降下薬はあるか?
Q24 がん終末期では血糖マネジメントの目標をどこにおくか?
Q25 がん終末期でも安全に使える血糖降下薬は何か?
Q26 がん終末期に、食事摂取ができなくなった場合の血糖降下薬の減量・中止を判断する際の注意点は何か?
(文献1を参考に作成)
- 1.日本糖尿病学会ホームページ:がん患者における糖尿病治療のコンセンサスステートメント2026.
https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/jds_jsco_jsmo_jascc_statement/all.pdf(2026.10.29アクセス)
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