「ヤングケアラー」の定義とその背景
●一般に「本来大人が担うと想定されていることを日常的に行っているこども」とされる
● 家事や家族ケアの時間が長時間になることで、 学習や発達等に支障をきたす恐れが指摘されている
● 近年の家族構成の変化により、 子どもが介護を担わざるを得ない状況が増えている
「見えない存在」「見えにくい存在」であるヤングケアラー
「ヤングケアラー」とは、法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどもとされています¹。
一般社団法人日本ケアラー連盟のヤングケアラープロジェクトでは、18歳未満を「ヤングケアラー」と位置づけ、ケアのタイプの具体例を紹介しています(図1)²。
子どもはケアのために時間や労力を取られることで、その負担が長期間にわたると学習や発達、そして進路選択などにも支障が出る恐れがあると指摘されています。
晩婚化や家族の多様化により、「家族人員の減少」「高齢の祖父母の世話」などを子どもが引き受ける場合も
かつて、家族が高齢や病気になったときの介護やきょうだいの世話は、家族機能の1つでした。しかし、近年は家族の多様化により介護を家族が担うことが困難になってきています。
晩婚化や少子化、ひとり親家庭の増加など、家族構成の変化により家族内の大人は減少しています。 がんや難病、精神疾患や障がいのある親やきょうだいのほか、超高齢化が進んだことで、高齢や認知症の祖父母などをもつ家庭が増えました。
介護が必要な人がいると、家族全員が介護、家事、経済的負担を分け合い、子どもがその役割を引き受けることも生じています。