看護師が日常ケアの延長でできるリハビリテーション“ちょっとリハ”とは?今回は、トイレでの排泄後の動作をリハビリにつなげる工夫を紹介します。
座位バランスやリーチ伸ばしの訓練になる
トイレ動作は、ふだん人に見せることのないもので「恥ずかしい」と感じるものです。人に見られること自体、屈辱的で情けなく感じる患者さんも多くいます。
本人の心理的負担や、自信を回復してもらうためにも、できる限り早期の段階からリハを開始し、改善を図ります。 患者さん自身の手で股間に手を伸ばす(図1)だけでも、座位バランスの訓練になります。
図1 陰部を拭く

●座った姿勢で股間(身体の中心ライン )に手を伸ばすことが、座位バランスの訓練になる
リハにおいても“リーチの段階づけ”として、座った状態で手を離すことから、徐々に遠位へと伸ばしていく動作をすることがあります。よって病棟で身体の中心ラインにある股間や肛門へと手を伸ばすことができていれば、徐々に遠位へとリーチを伸ばす訓練を行うことができます。
陰部を自分で拭くことができるようになれば、座った状態で下方からズボンを上げる(図2)、手すりに手を伸ばして立ち上がる、立位でズボンを上げる、というように段階を上げて動作を行ってみましょう。
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