看護師が日常ケアの延長でできるリハビリテーション“ちょっとリハ”とは?今回は、腕や肩の拘縮を防ぐために実践したい、ベッド上でできるストレッチを紹介します。

ストレッチで腕・肩の拘縮を予防

 臥床傾向にある患者さんは、四肢の活動に乏しく、入院生活を続けていくうちに関節の可動範囲に制限が出てくる可能性があります。

 患者さんがベッド生活では動かすのが難しい可動範囲を、日常的にストレッチして拘縮を防ぐことが重要です。 例えば上肢は曲がっていることが多く、手を腹部の上に置いている光景がよく見られます(図1)。しかし、このままでは上肢の可動範囲縮小により、拘縮を招いてしまいます。

図1 腕・肩の拘縮を招く“よくある姿勢

腕・肩の拘縮を招く“よくある姿勢
実施すると…

●安静臥床による上肢の可動域制限を予防できる

 そういった状態のときは、腕を挙げたり広げたりといった動作を促し、可動範囲の縮小を防ぎます。

 腕の挙上を行う場合の注意点として、挙上動作は肩の痛みを起こしやすいため、関節に優しい向きを意識して行います。「手掌(手のひら)が常に患者さんの顔のほうに向いている」ことを意識して行うと安全です。手のひらを顔に向けて挙上を行わないと、肩を痛める危険性があるので、注意します(図2-①、②)。

図2-① 腕の挙上のポイント:正しい方法

この記事は会員限定記事です。