排泄ケアのなぜ?&どうする?【第4回】“3日間、便が出ないと下剤”は本当?
編集:高木良重
福岡大学 医学部看護学科 講師、がん看護専門看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師
編集:豊原敏光
医療法人社団医王会 朝倉健生病院 大腸・肛門病センター センター長
執筆:野口玉枝
国家公務員共済組合連合会 浜の町病院看護部 外来、がん看護専門看護師
POINT
●ガイドラインには日数に関する明確な定義はない。
●便秘という状態は個人差が大きいため、日数だけでは判断できないことを確認しよう。
なぜ、「3日間、便が出ないと下剤」といわれているのだろう?
「排便が3日間ないと下剤」という考えは多くの医療機関などで慣習的に行われていることです。ヒトの解剖生理に基づくと、「大腸の停滞が24~72時間」とされているため、標準値からの逸脱といった視点からも、3日間という判断は妥当かと思われます1。
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この記事の関係者
編集
高木良重たかき よしえ
福岡大学 医学部看護学科 講師、がん看護専門看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師
九州大学医学部附属病院(現:九州大学病院)、福岡高野病院、福西会病院、福岡国際医療福祉大学での勤務を経て、2023年10月より現職。病院内での皮膚・排泄ケア領域の活動のみならず、地域でのストーマや褥瘡などの研修や近隣施設等との連携強化に向けての活動を行っている。
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医療法人社団医王会 朝倉健生病院 大腸・肛門病センター センター長
1980年山口大学医学部卒業。1986年九州大学医学博士(ヒルシュスプルング病セロトニン神経の組織化学的研究)、1988年マギル大学薬理学教室・モントリオール小児病院実験外科(ラット小腸移植と移植腸薬理学的研究)、1995年福岡高野病院、2003年福西会病院を経て2019年4月より現職。郷里で専門医療を展開中。
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野口玉枝のぐち たまえ
国家公務員共済組合連合会 浜の町病院看護部 外来、がん看護専門看護師
外科病棟や血液内科病棟の病棟勤務を経て、外来看護(外来化学療法室)勤務などを経験し、2010年にがん看護専門看護師資格を取得。現在は、緩和ケアチームを中心に活動中。
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