この記事は『エキスパートナース』2014年9月号特集を再構成したものです。
当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
【第1回】アセスメントスケールは何をどう使うと効果的?
【第7回】「開口」が難しい状況のときの口腔ケアはどうする?
「口腔ケア」の関連記事はこちら
口腔ケアが、誤嚥性肺炎予防に有効であることはよく知られています1。しかし、これまでの研究では、口腔ケアを実施する“時間帯”の研究2や1日に必要な口腔ケアの“回数”に関する検討3等は行われてきましたが、口腔ケア後の汚染物除去に関する研究は、ほとんど検討されていませんでした。
これまでの文献や教科書では、意識障害や嚥下障害のある患者に対する口腔ケア後の汚染物除去方法は、注水洗浄+吸引が推奨されているものが多くありました(図1-①)。しかしこの方法では、吸
引が不十分であった場合、口腔ケアにより口腔内に溶出した汚染物が洗浄水とともに咽頭や気管に流入し、誤嚥性肺炎を助長させることになりかねません。また、2人がかりで行うことになるので、マンパワー不足に悩む看護現場では、大変な手間と労力を使うことになっていました。
そこで私たちは、注水洗浄+吸引の代替手段としてよく行われる、水を使用しない「口腔用ウエットティッシュでの拭き取り」に着目しました(図1-②)4。本項目ではその検討について紹介しながら、
臨床での実際を解説します。
図1 口腔ケアでの洗浄による方法の検討
この記事は会員限定記事です。