日々進化する治療・ケアにかかわる用品がもたらした変化、活用する際の注意点などを紹介!今回はオピオイドをレスキュー投与できるPCAポンプを取り上げます。ADL低下予防、QOL向上などのメリットや、副作用を解説します。
患者自身でオピオイドをレスキュー投与できる
がん患者にはさまざまな身体的な苦痛症状が生じます。特に頻度の高い症状として、痛みや呼吸困難感が挙げられます。
なかでもがん患者の症状コントロールにおいて早急に症状緩和を図るために、オピオイドの適切な投与は非常に重要な要素となります。PCA(patient controlled analgesia、自己調節鎮痛法)は、患者自身で痛みの増強時(突出痛)にボタンを押すことでオピオイドをレスキュー投与でき、患者の自己コントロール感も高めます。アドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)を高めるうえでも非常に効果的です。そのような背景から、PCAは徐々に広がってきました。
PCAに用いられる主な「PCAポンプ」を、図1に示します。
図1 PCAポンプの例

テルフュージョン®小型シリンジポンプ TE-362(画像提供:テルモ株式会社)
●重さ約 330gと軽量で、携帯に便利。閉塞検出圧は 3 段階に設定可能
●“病棟で使用するシリンジポンプ”の小型版の微量型持続注入ポンプ
●5mL、10mLのテルモシリンジが使用可能

CADD-Solis™(画像提供:スミスメディカル・ジャパン株式会社)
●患者の“痛みの強さ”に応じた投与量の変更ができる。投与経路のバリエーションが「持続静脈」「持
続皮下注射」「硬膜外」から選択可能
患者のADL低下を防ぎ、QOLを高めるケアにもつながる
①患者自身の痛み・呼吸困難感に合わせて待たずに投与できる
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