検査・治療の帰室後の急変に注意!今回は血液透析後の帰室後急変・急性合併症である、血圧低下・意識消失・脳梗塞、不整脈について解説します。
血液透析(HD):帰室後急変・急性合併症
血圧低下・意識消失・脳梗塞

原因・症状
透析後は、先に示した血管内の浸透圧や循環血液量の変化から、「起立性低血圧」とそれに伴う「意識消失」をみることがよくあります。
車椅子に移乗した直後に声かけに反応がなく意識消失する事例や、透析後の体重測定時に転倒する事例もあるため注意が必要です。比較的、透析終了直後~早期に起きる急変ですが、なかには透析後食事を摂ったあとに血圧低下が起こる場合もあり、患者の様子を注意してみる必要があるでしょう。
起立性低血圧のほか、自律神経障害による脳血流量低下や透析後の血液濃縮に関連して「脳梗塞」を発症することが多いのも、透析後だとされています1。麻痺、意識障害、呂律障害などに注意します。
見抜き方
予兆がないことが多いため、血圧低下や意識消失の可能性を念頭に観察します。透析時に除水量が多いときは要注意です。
治療対応
血圧低下や意識消失を認めた場合、すぐに体位を臥位にします。起立性低血圧であれば、意識は間もなく戻ります。
それでも血圧が上昇しない場合には補液(血管ボリュームを上げるため生理食塩液などが点滴される)も検討し、さらに起立性低血圧“以外”の原因を確認する必要があります。
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