医療事故につながる可能性のある危険な薬に注意!今回はハイリスク薬の1つである、抗てんかん薬を取り上げます。過量投与による昏睡や血圧低下を防ぐための注意点や使用時のポイントを紹介します。
抗てんかん薬は過量投与により、昏睡状態や血圧低下などに
危険な理由:眠気やふらつきなどの症状や、過量投与による昏睡などの可能性がある
抗てんかん薬は、神経の興奮を抑えるはたらきがあります。抗てんかん薬に分類される医薬品は現在じつに20種類以上に及び、薬剤ごとに副作用もそれぞれ異なります。しかし、神経の興奮を抑制することによる共通の副作用として、眠気やふらつきなどの症状が現れることがあります。
また、誤って過量に投与すると、昏睡状態、血圧低下、呼吸障害などの重篤な症状が現れる可能性もあります。
注意するポイント:医師の指示や添付文書に基づいた服用を心がける
1)服用中の眠気や中止によるてんかん発作に注意
抗てんかん薬投与中は神経活動が抑制されるため、眠気やふらつきが起こることがあります。したがって、服用中は自動車や機械の操作を控えるよう患者さんに指導することが必要です。
一方で服用を失念したり、意図的に服用を怠ると、抗てんかん薬で抑制していたてんかんの発作が起きることがあるため、指示通りの服用が重要であることは言うまでもありません。自動車の運転中に発作を起こし、事故につながったケースもあり、社会問題にもなっています。
2)切り替えの際は、製剤量と成分量を正しく換算
薬剤によっては用量調節や小児への投与のために規格(製剤に対する含有量)が複数存在するものがあり(フェノバール®〈散10%・原末〉、ヒダントール®〈錠25mg・錠100mg、D配合錠・E配合錠・F配合錠〉など)、製剤量と成分量を正しく換算する必要があります。これらの取り違えや換算間違いにより本来投与すべき薬用量が過多、もしくは過小になり、思わぬ事故につながる可能性があります。
持参薬、お薬手帳や紹介状の処方記録を参照して自施設の採用薬に切り替える際は特に注意が必要です。成分量がわからなければ、薬剤師に確認をお願いしましょう。
3)テグレトール®とラミクタール®では重篤な皮膚障害に注意
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