人工呼吸器を装着している患者さんに行いたい、日常ケアとは?今回は気管吸引時に吸引カテーテルを挿入する長さについて解説します。深く挿入しすぎた場合の合併症にも注意しましょう。
Q. 気管吸引時に吸引カテーテルを挿入する長さはどのくらい?
Answer
吸引カテーテルは、気管分岐部直上まで挿入します。気管分岐部は体表面からは見えないため、気管チューブと吸引カテーテルの目盛りを使用して、挿入の長さを調節します。
気管分岐部直上とは?
気管分岐部は、前面では第2肋骨付近、背面では第4肋骨付近にあたりますが、気管チューブはその気管分岐部から3~5cm上に先端がくるように留置されています。つまり、気管分岐部は、気管チューブ先端から3~5cm進んだ部位となります。
図1 気管チューブの位置と吸引カテーテル挿入の長さ

では、吸引カテーテルをどうやって気管分岐部直上まで挿入するのでしょうか。それは、気管チューブと吸引カテーテルの目盛りを使用するのです。双方の目盛りが合ったところで、気管チューブと吸引カテーテルの先端が同じ位置になるため、そこから2~3cm進めると、気管分岐部直上になります。
ただし、気管チューブの留置位置は患者により多少異なるため、胸部X線写真で気管チューブ先端が気管分岐部から何cmの位置にあるのか確認しておくとよいです。
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