人工呼吸器を装着している患者さんに行いたい、日常ケアとは?今回は気管切開患者の吸引方法について解説。吸引カテーテルを挿入する長さをわかりやすく紹介します。

Q. 気管切開患者の吸引方法は?

Answer
基本的に経口挿管時と同様ですが、吸引カテーテルを挿入する長さが異なり、「全体で12~15cm程度」挿入します。

 気管切開における気管吸引の手順は経口挿管時と同様です。

 異なる点は、吸引カテーテルを挿入する長さです。経口挿管では気管分岐部からさらに2~3cm挿入しましたが、気管切開においては、12~15cm挿入します。
 閉鎖式気管吸引の場合は、吸引カテーテルに目盛りが付いているため、目盛りを見ながら挿入します。

 気管切開の場合は、人工呼吸器を装着していない場合もあり、その場合は開放式吸引を行います。開放式気管吸引の場合は、一般的に吸引カテーテルに目盛りが付いていないため、あらかじめ、吸引カテーテル先端から12~15cm程度の部分を持ち、それ以上挿入しないようにします(図1)。

 いずれの場合も、コツンとあたるような感触があったら、そこは気管分岐部であり、それ以上吸引カテーテルを進めないようにします。  
 なお、開放式気管吸引時に使用する手袋は、清潔な使い捨ての未滅菌手袋でよいとされています。

図1 気管切開の吸引における挿入の長さ(全長)

この記事は会員限定記事です。