さまざまなデバイスが存在する酸素療法を、もう一度基本から学べる連載です。本当に効果がある酸素療法ができるようになるための知識をお届けします。
【第1回】流量システムと高流量システムの違い
〈目次〉
●酸素療法のしくみ
●酸素投与方法の種類:低流量システムと高流量システム
●低流量システム・高流量システムの違い
・よく言う「酸素3リッター」は、正確には「“1分間”に3リッター」である
・成人男性は、「1分間に30L」の空気を吸っている
●違いを理解するカギは「吸気流速」
【第2回】低流量システム・高流量システムの使い分け(適応)
〈目次〉
●各デバイスの適応
・低流量システムの適応と特徴
・高流量システムの適応と特徴
●呼吸不全の種類と酸素投与の進め方
【第3回】低流量システムによる酸素投与の注意点
〈目次〉
●酸素化の観察ポイント
●同じ酸素投与でも、患者さんの吸う空気の量により酸素濃度が異なる理由
●低流量システムの製品例
・経鼻カニューレ
・リザーバー付き経鼻カニューレ
・簡易型酸素マスク
・オープンフェースマスク、オキシマスク
・リザーバーマスク
【第4回】高流量システムで用いるデバイス
〈目次〉
●ベンチュリーマスク・ベンチュリーネブライザー
1)特徴
2)色分け・設定の注意点
●ハイフローセラピー
1)特徴
2)対象・設定の注意点
・ハイフローセラピーからの離脱・切り替え
●高流量システムの製品例
・ベンチュリーマスク
・ベンチュリーネブライザー
・ハイフローセラピー
【第5回】酸素投与の加温・加湿はどうする?
〈目次〉
●“加湿”の必要性
●“加温”の必要性
【第6回】リザーバーマスクと経鼻カニューレの併用は効果がある?
〈目次〉
●低流量システムは、酸素濃度が換気量に左右される
●リザーバーマスクと経鼻カニューレ併用の効果を得るには
1)併用により、リザーバーマスクの機能が損なわれる
2)経鼻カニューレは、5L/分“以下”で使用する
●ハイフローセラピーやNPPVによる呼吸管理に変更
【第7回】経鼻カニューレを口に当てると効果がある?
〈目次〉
●「口から」「適量の酸素」を供給するには?
1)経鼻用のデバイスは、口への使用は向かない
2)「3L/分で使用できる」デバイスを考える
3)現在の設定と「同じ酸素濃度を保てる」デバイスを考える
●COPDでは、「酸素濃度を一定に保てる」という視点も重要
【第8回】2L/分の酸素の加湿は効果がある?
〈目次〉
●酸素流量2L/分は原則「加湿不要」
●「低流量での加湿」は効果的でない
・事例の方法では、ごくわずかの加湿しかできない
・効果的な加湿には、加温が重要
●室内気の加湿など、別の手段の検討を
【第9回】すべての患者でSpO₂90%以上をめざすべき?
〈目次〉
●呼吸不全の定義は、SpO290%未満
●SpO290%未満でも、酸素療法を行わない場合がある
・酸素療法が及ぼす影響
・疾患・病期別のSpO2の目標
●安定したSpO2を得るには安定した酸素提供が必要
【第10回】SpO₂の数値だけで呼吸を評価していい?
〈目次〉
●“SpO2<90%”は、重要な“目安の値”
●SpO2>90%でも、安心できない状況がある
1)有効な1回換気量が確保できないケース
2)貧血でヘモグロビン量が少ないケース
【第11回】SpO₂が上がらないときはまず、酸素を増やせばいい?
〈目次〉
●酸素療法では、低酸素の“原因”を改善できない
・酸素を増やしても無意味な場合もある
●必要時は人工呼吸器への切り替えも検討
【第12回】SpO₂が100%のままでの管理でいい?
〈目次〉
●簡易型酸素マスクは5L/分以上で使える
●必要以上の酸素投与は「意味ない!」
●SpO2100%で管理するのは「意味ない!」
【第13回】COPD患者に、必要量以上の酸素投与は効果がある?
〈目次〉
●COPD患者のCO2ナルコーシスのリスク
●低濃度から投与を開始し、CO2ナルコーシスの症状を観察する
【第14回】悪化した肺水腫にハイフローセラピーは効果がある?
〈目次〉
●ハイフローセラピーは、高流量システム
●人工呼吸器と違って、PEEP効果はわずか
●心原性肺水腫では、PEEPがかけられるNPPVが適切
【第15回】睡眠時無呼吸でのSpO2低下時に、経鼻で酸素投与したら効果はある?
〈目次〉
●睡眠時無呼吸の主要な原因は“上気道の狭窄・閉塞”
・“閉塞性睡眠時無呼吸”では、酸素より気道開通を
・ただし、“中枢性睡眠時無呼吸”では酸素投与も有効
●“酸素の投与”でなく、“換気を正常化させるケア”を
【第16回】終末期患者に、やみくもに酸素投与していい?
〈目次〉
●流量は、適正以上に上げても意味がない
●酸素投与以外の選択肢も考えよう
●ハイフローセラピーも、有用な手段の1つ
【第17回】心拍再開(ROSC)後、高濃度酸素投与を続けてもいい?
〈目次〉
●ROSC後の患者さんの酸素投与はどうしたらいいの?
●高濃度酸素療法には合併症がある
①酸素中毒
②吸収性無気肺
④CO2ナルコーシス
●合併症を起こさないためのPaO2の目標値
【最終回】頻呼吸のアセスメントでは、呼吸だけ見ればいい?
〈目次〉
●頻呼吸の意味を考えよう
・頻呼吸は、「通常の呼吸で足りない」ぶんを補っている
・原因の1つは、「代謝による酸素需要の増加」
●SpO2が保たれているうちに対応が必要
●代謝が亢進すると、より多くの酸素が必要になる
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