よくある酸素療法中の管理の場面のギモンに答えます。

事例

尿路感染症で入院している80代高齢女性患者さん。体温38℃、心拍数90回/分、血圧110/78mmHg、SpO297%と酸素吸入をしていなくても酸素化はよいのですが、なぜか呼吸数30回/分と頻呼吸です。呼吸音や胸郭運動など、理学所見に異常はありません。

頻呼吸の意味を考えよう

頻呼吸は、「通常の呼吸で足りない」ぶんを補っている

 頻呼吸、つまり呼吸数が速くなるということは、通常の呼吸では必要な酸素を取り込むことができない、もしくは二酸化炭素が排出できないことになります。そのため、回数を増やしてそれを補っているのです(代償)。

 呼吸回数が増えるということは、呼吸筋の仕事量も増えるので、その状態が続くと呼吸筋が疲弊し、さらに呼吸仕事量が増えるという悪循環へと陥ります。

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