さまざまなデバイスが存在する酸素療法を、基本から解説!今回は「SpO₂が100%のままでの管理でいい?」とのギモン。不必要な酸素投与がもたらす酸素毒性についても解説します。
簡易型酸素マスク、酸素流量5L/分で酸素投与を行っている患者さん。SpO2100%で呼吸数18回/分、努力呼吸もなく呼吸状態は落ち着いています。酸素化も安定しているので、このまま経過を見ていけばよいでしょうか?
簡易型酸素マスクは5L/分以上で使える
簡易型酸素マスクは換気孔のついたマスクで、設定した流量の酸素と室内気や自らの呼気を吸入します。
酸素流量が少ない場合には、マスク内にたまった呼気を再呼吸し、PaCO2が上昇する可能性があるため、酸素流量を5L/分以上に設定する必要があります。
簡易型酸素マスクの流量と吸入酸素濃度の目安を表1に示します。
表1 簡易型酸素マスクの酸素流量と吸入酸素濃度

必要以上の酸素投与は「意味ない!」
酸素は生命維持に不可欠な反面、不必要な酸素投与は有害となることがあります。以下に不必要な酸素投与がもたらす酸素毒性を3つ解説します。
リスク1:肺障害の原因となる
生体は酸素を取り込み酸化還元反応によって、毒性の強い活性酸素をつくります。この活性酸素は、体内に細菌などが侵入した場合に生体防御にはたらくというよい側面があります。
しかし、活性酸素が生体の解毒機能を超えて増加すると、細胞構成成分と化学反応を起こし、細胞や組織が傷害されます。高濃度酸素を長期間吸入することで、活性酸素が増加し、その傷害は顕著となり、特に肺組織が影響を受けます。
肺への影響として、肺コンプライアンスの低下や酸素化能の低下が挙げられます。50~60%以上の酸素を長時間吸入することで、肺障害は起こりやすくなるといわれています。
リスク2:吸収性無気肺を起こす
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