【第1回】低流量システムと高流量システムの違い
【第15回】睡眠時無呼吸でのSpO2低下時に、経鼻で酸素投与したら効果はある?
【第17回】心肺停止の心拍開始後、高濃度酸素投与を続けてもいい?
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 よくある酸素療法中の管理の場面のギモンに答えます。

事例

肺がん終末期の患者さんに、呼吸困難感の軽減を目的としてハイフローセラピーを導入しました。設定は酸素濃度80%で、酸素流量40L/分です。SpO2がなかなか上昇しないので酸素濃度を上げてきていますが、流量をさらに50L/分、60L/分と上げるべきかどうか迷っています。

流量は、適正以上に上げても意味がない

 ハイフローセラピーの設定項目は、酸素濃度(%)と酸素流量(L/分)です。酸素流量の設定は、患者さんの吸気流速を下回り外気を吸い込むことがないよう、患者さんの吸気流速以上の酸素流量を投与します。

 自発呼吸では吸気流速を測定することは困難であるため、目安として鼻腔に手をかざし、吸気時も鼻腔から投与酸素の漏れがあることを確認します。

 流量が患者さんの吸気流速に対し適正に設定されている場合、それを超える流量で投与しても効果は変わりません。

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