よくある酸素療法中の管理の場面のギモンに答えます。

【第1回】低流量システムと高流量システムの違い
【第7回】経鼻カニューレを口に当てると効果がある?
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事例

重症肺炎で入院している患者さん。呼吸困難が強く、リザーバーマスクで流量15L/分で酸素投与していますがSpO2は88%と低値です。経鼻カニューレを併用して流量10L/分を追加で投与すると、SpO2は95%まで上昇しました。

低流量システムは、酸素濃度が換気量に左右される

 酸素療法とは、空気中より高い濃度の酸素を投与することで、主に低酸素血症に対する対症療法として実施されます。

 このケースで使用されているリザーバーマスクと経鼻カニューレ、また臨床でよく使用されている簡易型酸素マスクは低流量システムによる酸素投与に分類されます。

 それぞれの酸素流量と酸素濃度の目安は、本当に効果がある酸素療法【第3回】低流量システムの使い方を参照してください。

 低流量システムは、患者さんが吸気を吸うスピード(吸気流量)よりも、遅いスピード(流量)で酸素が供給されているシステムであるため、吸気時には供給される酸素だけではなく、必然的に室内気も吸入します。

 したがって、患者さんの呼吸様式や吸気流量の変化によって換気量が変化すると、吸入酸素濃度も変化します。

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