よくある酸素療法中の管理の場面のギモンに答えます。

事例

AさんのSpO2は89%。呼吸不全の定義に当てはまるので、まずは経鼻カニューレで1L/分で酸素投与し、様子を見ることにしました。

 みなさんは「SpO2が低かったので酸素1L/分で開始しました」と申し送りを受けたことはありませんか。よくありそうな会話ですが、はたしてこの判断は患者さんにとってベストだったのでしょうか。
本項では、患者さんの状態や時期に合わせたSpO2の目標を考えていきたいと思います。

呼吸不全の定義は、SpO290%未満

 酸素は私たちが生きていくうえで欠かせないものであり、不足すれば心虚血性変化、意識障害、臓器障害、最悪の場合死に至ります(図1)。

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