さまざまなデバイスが存在する酸素療法を、基本から解説!今回は、酸素投与2L/分である場合を例に、「低流量での酸素投与による加湿」「加温をせずに加湿した場合の効果」について考えていきます。
口腔内乾燥の著しい誤嚥性肺炎の患者さん。経鼻カニューレで、流量2L/分で酸素投与しています。口腔内の乾燥が強いので、ヒューミディファイアー方式の加湿器を用いて口腔内の乾燥を予防しようとしています。
酸素流量2L/分は原則「加湿不要」
酸素療法を行う場合に、さまざまな場面で加温・加湿を行うことがあると思います。本項では加温・加湿をより有効に行うためにはどうしたらよいのかを考えていきましょう。
『酸素療法マニュアル』では、「経鼻カニューレでは3L/分まで、ベンチュリマスクでは酸素流量に関係なく酸素濃度40%までは、あえて酸素を加湿する必要はない。むしろ室内気の湿度に注意すべきである」1としています。
これはどういうことなのか、事例の「酸素投与2L/分である場合」を例に、「低流量での酸素投与で加湿をしたらどうなるか」と「加温をせずに加湿した場合の効果はどうなるか」を詳しく考えてみましょう。
「低流量での加湿」は効果的でない
事例の方法では、ごくわずかの加湿しかできない
「酸素流量2L/分である場合」で、患者さんが、1回換気量400mLを1秒で吸入したとします。そのときに1秒で患者さんの鼻腔を通る「経鼻カニューレからの酸素の量」は、2,000mL(2L)÷60秒=約33mL/秒です(図1-①)。
1回換気量の400mLのうちの33mLが乾燥した配管からの酸素になります。これは1回換気量のわずか8%の量で、ここだけ加湿してもあまり効果的ではありません(図1-②)。
しかし、加湿がまったく意味ないかというとそういうわけではなく、手術などで鼻腔の加湿能力が低い場合や、不快感の軽減など柔軟な対応がときには必要かもしれません。
では、効果的な加湿を行うためにはどうしたらよいのでしょうか?
この記事は会員限定記事です。