【第1回】気管吸引はどうして必要なの?
【第10回】カフは何のためにあるの?なぜカフ圧調整をするの?
【第12回】カフ圧の調整は何時間ごとに行う?

Q. カフの“適正圧”はどのくらい?

Answer
間欠的にカフ圧を調整する場合は、カフ圧計を用いて30cmH2O程度に調整します。自動カフ圧計で持続的にカフ圧を調整する場合は、25cmH2O程度に設定します。

カフの適正圧の基準は?

 カフ圧は常時20~30cmH2Oの間に維持させることが推奨されています。カフ圧の上限は気管壁の動脈圧に由来します。気管壁の動脈圧は30cmH2O程度であり、気管壁の壊死を防ぐため、これを越えないように調節します。

 また、カフ圧の下限は、VAP(人工呼吸器関連肺炎)の要因の1つが低カフ圧であると報告されたためです。同じ2005年に発表されたATS(American Thoracic Society、米国胸部学会)のガイドラインでは、「気管チューブのカフ圧は、カフの周りの細菌病原体が下気道に漏れることを予防するために20cmH2O以上に維持されるべきである」とカフ圧の下限が示されました1

この記事は会員限定記事です。