「脳」と「麻痺」の基本と応用について解説!今回は脳神経疾患による合併症の1つ、高次機能障害について紹介します。
高次脳機能障害の種類
高次脳機能障害には、失語や失行、失認、半側空間無視、記憶障害、遂行機能障害があります。これら高次脳機能障害は「見えない障害」とも呼ばれます。
失認は見たものが「何か」わからなくなる
失認は、対象を認知できないことを言います。例えば、見たものを認知できないという症状があります。視覚性失認と呼ばれるものがその1つです。
目の前に“リンゴ”があるとします。私たちは形、大きさ、色などを過去の記憶のなかから引っ張り出して“リンゴと認識します。この記憶は側頭葉に貯蔵されていると言われています(図1)。しかし、その記憶を引っ張り出す経路が障害を受けると、目の前にある“リンゴ”を“リンゴ”と認識できなくなります(図2)。
図1 側頭葉の記憶の貯蔵
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