便秘には、ときには重篤化する病態が潜んでいることも。重篤な便秘の見きわめ方を知りましょう。今回は、便秘を予防するために必要な1日の水分摂取量について考えていきます。
Q. 便秘予防のために必要な1日水分摂取量は?うまくとれない場合、どうする?
Answer
●「目標摂取量は、○mLです!」と一概に決めることはできません。基礎疾患や活動量に影響されます。
●食物にも水分が含まれていることを考慮しましょう。
「○mL飲めば便秘が予防できる」というエビデンスはない
「水をたくさん飲んだら便が出やすくなります」といったキャッチフレーズを目にすることがあります。水分摂取量のめやすについては、標準看護計画として1,000~1,500mL1と具体的に示されているものの、水分摂取=便秘予防に関するエビデンスはありません。
水分摂取が便の生成に及ぼす影響は?
口から摂取したものは腸管、特に小腸で水分吸収が行われます(図1)。大腸での食物繊維の停滞時間が長いと食物繊維が吸収されて減ってきます2。また、脱水傾向にある患者さんでは、大腸からの水分吸収が過度に行われる機会が増えます。その結果、便は硬くコロコロしたものとして排泄されます。
図1 腸管の水分吸収

便の硬化を予防するためにはある程度の水分量が必要なものの、単なる水分摂取では尿として排泄されるだけで、便の生成にはつながりません。また、循環不全や腎不全の患者さんは水分制限を伴っているため、便秘予防としての水分摂取が困難です。
便秘の解消として、「○○水」「○○ウォーター」「○○茶」のような製品がいくつか紹介されています。これらの中には飲むことで便通がよくなるものもあると思われますが、多くの場合、水分の付加が便の生成につながっているのではなく、「水」に含まれているMgイオンや下剤(センナ、アロエなど)が影響している可能性があります。
また、このような水を摂取することで、「水分を飲む」ことが習慣化されると、水分が不足している場合には補うことになり、その効果が発揮されると考えられます。
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