川嶋みどり 看護の羅針盤 第136回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　医療や看護の分野で食事を考えるとき、栄養の配分や消化吸収の点に重点がおかれ、しかも、現行の健康保険制度のもとでの諸制約が、病人の食事そのものをゆがめている現状もある。

　また、看護師不足ということで、患者の条件を無視するような配膳（病院の夕食時聞が早すぎることは定評がある。そのため長い夜を空腹で眠れない人もいる）が行われたり、寝たきりで身動きのできない人は、食事時に湯のみ一杯のお茶しか飲めないような状況もある。これらは看護技術以前の問題である。 5-128

（出典：『看護の自立 現代医療と看護婦』128ページ、勁草書房）

そのほか「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら