川嶋みどり 看護の羅針盤 第201回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　イブニングケアを実施している病棟と、そうでない病棟では、眠剤や鎮静剤の投与の頻度が異なるのではないだろうか。なぜなら、入院患者の不眠の原因の多くは、精神的な不安や、孤独な夜を迎えることによるものだからである。（中略）

　ある病院の話である。意識的な看護師たちによって、イブニングケアを実施したところ、患者のほうにそのケアを受けることが当然という気運が生まれて、止めることができなくなり、病院としても人員をふやさざるを得なかったというのである。

（出典：『CHECK it UP ① 日常ケアを見直そう　あなたの職場の看護チェック』16ページ、医学書院）

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