川嶋みどり 看護の羅針盤 第212回

　20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 （ライフサポート社、2020年）。　

　この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

　誰でも人生を幸福に生きたいと願う。幸福についてもそれぞれの価値観によってさまざまであろうし、人生の終焉を迎えてみないと、その一生が幸福であったかどうかの評価を下すことはできないと思う。
　だが、少なくとも病気や障害によって入院している間だけでも、幸福であったと言えるような日々を創り出すためのケアを実施したい。それは決して抽象的なものではなく、きわめて現実的な患者の生活の中にあるということである。

（出典：『第3版 生活行動援助の技術　ありふれた営みを援助する専門性』39ページ、看護の科学社）

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