医療事故につながる可能性のある危険な薬に注意!今回は、静注用カリウム製剤を使用する際の注意点や、投与方法、病棟での管理法を解説します。

静注用カリウム製剤の注意点は?

 現在は製剤工夫が行われ誤投与事故は減少傾向にありますが、高濃度カリウム製剤の投与方法を誤ると、生命にかかわる事故につながる危険性があります。

 静注用カリウム製剤の急速静注(ワンショット)は、重篤な不整脈から死亡事故を引き起こす原因となります。また、カリウム製剤を希釈せずに高濃度のまま末梢血管から投与することにより、血管の炎症が生じ皮膚壊死に陥る場合もあります。

 誤投与事故を防ぐために、以下の2点に注意する必要があります。

1)できるだけプレフィルドシリンジタイプを使用する

 静注用カリウム製剤は現在、アンプル製品(図1-①)よりも安全設計であるプレフィルドシリンジタイプ(図1-②)のカリウム製剤の採用が勧められています。

 プレフィルドシリンジタイプは保険診療で認められており、物理的に三方活栓などにより投与ができないなどの利点があります。

図1 カリウム製剤の例

カリウム製剤の例

2)末梢静脈からと中心静脈からで投与方法が異なる

 静注用カリウム製剤の使用方法は複雑です。投与方法についていくつかの注意すべき点があります。施設間により使用方法は若干異なりますが、ここでは大きく“末梢静脈からの投与”と“中心静脈からの投与”に分けて解説を行います。

末梢静脈からの静注用カリウム製剤の投与方法

 静注用カリウム製剤を必ず希釈し、十分に混和してから投与します。必ず輸液ポンプを使用して、決められた速度以下でゆっくり投与します1,2

濃度

●カリウムイオン濃度として、40mEq/L(20mEq/500mL)以下に必ず希釈する3
●十分に混和したあとに投与投与する。

投与量

●カリウムイオンとして、1日100mEqを超えないようにする。
※カリウム製剤は補液とともにオーダーする。

投与速度

●ゆっくり静脈内に投与する。
●カリウムイオンとして20mEq/時を超えないようにする(輸液ポンプを使用)する3

実際の投与方法

輸液中に含まれるカリウムイオン量表1)を考慮する。
●輸液製剤に静注用カリウム製剤を追加する際にも表1を参照する。

表1 輸液製剤中のカリウムイオン量

輸液製剤中のカリウムイオン量の表
「注意」の薬剤は、KCL1本(20mEq)を加えると、規定の危険濃度40mEq/L(20mEq/500mL)を超えてしまう
(各薬剤の添付文書を参考に作成)

中心静脈からの静注用カリウム製剤の投与方法

 末梢静脈より、中心静脈からのほうが高濃度の静注用カリウム製剤の投与が可能です。適応症例は限られており、投与方法も末梢静脈とは異なり種々の制約があります。モニタリングや、カリウム濃度補整による中止・減量が必要になります1,2

対象患者

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